たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

2006-01-01から1年間の記事一覧

何だかよくわからないけれど

バトンを渡されてしまって、途方にくれていて、まあいいや、好きなこと書いてしまえ、 という記事です。 (こんなことを始めに断って書くと、なんだか土佐日記の書き出しを思い出すなぁ・・・) 渡されたバトンは、作家ということなんだけれど、 画家とか書…

スーパーマーケットに付き合いながら

妻の食料品の買い出しに付き合ってスーパーに行った。スーパーまでの道のりを、なんとかドライブに見立てて、ハンドルを握る(握らされる)だけなのだが。そしてそれは毎週繰り返される特別なことではないのだが。 まっすぐ行けばすぐ着いてしまう道を、ワザ…

言葉というもの

今日たまたま(昨日というべきか)、アルゼンチンのナディアという少女を追ったTV番組を見た。何か見たい番組をねらってTVをつけることはほとんどない。この番組も途中から何気なく見た。 昨年度からシリーズで放送されている「もし世界が100人の村だっ…

植物より出でていながら

植物は寛容な生き物だ。自己という個を意識することなく脈々とその命を、途絶えることなく鎖のようにつなげてきた。一年草という植物がある。春に蒔かれた種子は秋には開花して、結実する。草木一本を見れば、気候の暖かい夏の間の、あっという間の生命の姿…

その2

感動とは、のせられてしまうことだと思う。 相手は手練手管を使っているかもしれない。 でも結局こちらはのせられてしまって、相手に身をゆだねる。 こころが揺さぶられるという。まさに、相手の意のままにこころが動かされてしまう。 ジェットコースター体…

不確かな想像

絵を描いていて思う。気持ちのよい絵とは、間違いなく揺らぎを含んでいると。 でもそれを人に伝えようとしても、おそらく伝わらないと思う。 だから、これまであまり口にしたことはない。でも、それは確かだと思えて仕方ない。 たとえば、そのような絵の反対…

人身受け難し

いくら懸命に考察してみても、この自分という存在が自分であることの説明、理由、その根拠は明らかにはならない。気がついたら自分だったというのが正確な事態だと思われる。気がついたら自分は男性であり、この身体であり、この頭脳だったということだ。自…

それはいったいなんだろう

宗教は阿片だという言葉がある。正常な判断力を惑わせて、奇妙な教義に人々を閉じ込めることを言ったものだと想像する。まともな人々がいて、一方不可解な宗教というものがあって、まともな人々が教義に囚われていく。その様子を見ている自分がいる。いわば…

ある番組で

昨晩、何気なくまわしたNHKのトップランナーという番組。途中からしか見ていないが、出演していたソプラノ歌手の森麻季さんの話にグイグイと惹きこまれてしまった。波乱万丈という話があるわけではないのだが、なんというのだろう、森さんの人柄がにじむ語り…

健康診断を受けた

週末金曜日は、特別休暇をとり人間ドック入りした。朝の7時半から午後3時近くまで、ありとあらゆる検査をしてもらった印象だった。検査中、こちらが特別動くことはないので疲労するというのは変なのだが、すべてのメニューが終わりドッと疲れたというのが本…

植物の根は

東京でも、夜になると冷え込みを感じるようになった。いつもは開けっ放しの窓も少し閉めた。 それで思い起こしたのだが、先の冬の寒さは厳しかった。暖房したハウスの中も、零下8度くらいになることがあった。いくら水切りをしていても、寒さに弱い多肉植物…

久石譲『感動をつくれますか?』

またまた久石さんの著書に関して感じたことなどを。 クリエイティブな人というのはどういう風にものごとを捉え、感じ、何に向けてアクションを取るものなのか、その内燃機関を目の当たりに見てきたという気持ち。読了していちばんの収穫は、この体験だったと…

夜をひとりで

娘は仲のよい友人と箱根の彫刻の森美術館に出掛けて今日は帰ってこない。家内は夕方、サークルの集まりだか何かで出掛けている。自分は、自宅にいて(あまり出掛けない方だ)、ひとりサボテンや多肉植物の植え替えをしている。土の乾きが悪くなったり、用土…

絵になる

気持ちよい風景を目の前にしたとき、「絵になるところだなぁ・・・」と思わず言ってしまう。しかし絵を描かない人でも使う言葉だから、よく考えると「絵になりますね」という言葉は不思議だ。また、何を以って絵になるとか、絵にならないと判断しているのか…

ワクワク感

本を読むとき、気に入った文章や素敵な言葉に出会うと、そこにポストイットをつけていく。久石さんの『感動をつくれますか?』を読んでいると、毎ページいろいろな新鮮な言葉に出会うので、いまやポストイットだらけ。 引き続き、久石さんの言葉から。 自分…

[思索]やはり変人なのか、画家は・・・

久しぶりにゾクゾクする本と出合った。久石譲さんの『感動をつくれますか?』。 本を買うとき結構ためらう方で、何週間にもわたり買おうか買うまいか迷うことも少なくない。そのうち買いそびれてしまうこともある。 久石さんの本は手に取りページを開き、目…

行列に並ぶ

8月下旬に、長野の方で激しい雷雨が続いたそうだ。聞けば、自宅のすぐ近くにも落雷があったらしい。週末、長野にもどったらパソコンの調子がおかしくなっている。プロバイダに接続できない。したがってメールもネットもつながらない。ケーブルモデムの電源…

文章と図形

どんなことがらも脳を介さなければ、それを思い浮かべることができないのだから、全ては脳内現象、脳の中を走っているパルス列に帰着されるというのが、茂木健一郎さんの考えだった。 ボクはつねづね思うのだが、眼から入る情報を処理する脳と、耳から入る情…

サーリプッタ尊者

怒らないこと、謙虚であることでたいへん有名なサーリプッタというお坊さんの話。 サーリプッタ尊者は、お釈迦様の右腕とされ、周りの信望が厚く、 友人の目連尊者とともに2大高弟と言われている。 目連が神通力第一といわれたのに対し、サーリプッタは智慧…

増田明利『今日、ホームレスになった』〜13のサラリーマン転落人生

あ〜あ、読まなければよかったなぁ、としみじみ思った。板子一枚下は地獄、という言葉を想起する。普通のサラリーマン人生を送っていた男たちが、ちょっとした躓きであっけなくホームレスという立場に落ち込んでしまう体験が、本人の口から語られる。 どれも…

バルタザール・グラシアン『賢者の教え』

箴言集というジャンルは嫌いではない。若い頃は、ラ・ロシュフコーの『箴言と考察』を線を引っ張りながら読んでいた。ことわざ辞典の類も楽しんでめくっていた。 グラシアンという人物の箴言集を知ってから、10年も経っていない。しかしときどき読み返したく…

まっすぐに見る

自分の真の姿が、見えなくなっていることが多々ある。人間は自分に都合よく解釈し理解する性向があるから、出来事に対して結局のところ、なんだかんだと批評して自己讃美で終るなんてことは日常的なことがらだ。人に迷惑をかけることはしないと言いながら、…

変な子供

土曜日夕刻に、会社の後輩を招待して『庭でバーベキュー!』を開いた。後輩のBLOGによると6年間も欠かすことなく夏の年中行事になっているとのこと。仕事にまつわる話題はもちろん、趣味やマニアックな話題まで、自由なおしゃべりができる相手はなかなかい…

自分の力に組み入れる

先日のBLOG記事を書いているとき、頭の隅に気になっている言葉が浮かんでいた。『ひとが否定されないルール』。脳に障害を受け重度の障害者となった日木流奈さんの著書の題名である。略歴を見ると1990年生まれだから今年は16歳になっているはず。この本の出…

優越と劣等

先日から、優越感がいかに人生を支配し、思わぬところへ人を導いてしまうかを考えている。優越することを人はなぜ、これほどまで執拗に求めるのか。価値を置いてしまうのか。その理由をほとんど考えたことがない。なぜならそれは問うまでもなく自明なことだ…

[本]米長邦雄著『不運のすすめ』

米長さんは将棋のプロ棋士、現在は現役は引退されて、日本将棋連盟会長の職にある方。思い返すと10年くらい昔だろうか、やはり米長さんの著書を読んだ気がする。勝負師として生きてきた人の人生観には、独特のかおりがあって嫌いではない。 その嫌いではな…

手を放すとき

これは個人的な経験から帰結されることなので、一般的に正しいのかは分からない。 なにかものごとに行き詰まり、いろいろとあがいて打開しようと努力しても上手くいかずに、半分諦め加減の心境になり執着がフッと抜けてしまうとき、事態の展開が生まれてくる…

科学的な見地から

科学と宗教という対立的な見方を前提に論を進める話は多い。科学技術は進歩したが、宗教は古い教義に囚われて、世の中の進み具合に追いついていないのだと言う論説に関して、先日のBLOG記事に書いたばかりだ。 それは確かにそのとおりだと思う。しかし科学と…

リンゴの木

今日で夏休みが終わり明日から仕事の日々になる。サザエさん症候群というらしいが、休日が終わり、さあ明日から出勤という日曜日の夜7時頃、どことなく落ちつかず、精神不安定状態に陥る傾向が昔からあった。これが連休ともなると休日の長さに比例して、サ…

[言葉]風という言葉

友人のBLOGを読んでいたら、「風は心の揺らぎ、うつろい、情感を生み出すものでもあるように思う。」とあった。 http://d.hatena.ne.jp/kyou2/20060801/p1 むろん大気の流動現象を風と呼ぶのだけれど、それを様々なうつろい易さのたとえに使うところが、日本…