たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

30年計画

先日ふと思い立って、30年計画の構想を練りはじめた。 という言い方は仰々しい響きがあるので、簡単に言ってしまう。 要するに平均寿命から推定して、あと30年生きる可能性はかなり高い。 過去にさかのぼって考えると、30年前というと就職したころに当たる。…

ウソの効用

皮肉なことだが、マジメに絵を描けば描くほど、 また真に迫る絵を描こうと描き込むほど、ウソっぽくなる。 写真のように緻密に描けば、本物ソックリになっては行くのだが、 同時にウソウソとした雰囲気が出てくる。 これはなぜだろうか。 リアルに描けた瞬間…

スケッチするとき思うこと

人間だけが言葉を使う。 対象を表す言葉は、対象から「ある特徴」を抽出し、それを総称した概念である。 リンゴの持つ色とか形、香りという特徴を、他のものと区別して、 これは、「みかん」ではなく、「リンゴ」だと認識する。 頭の中には、「リンゴ」とい…

興味をいだく

曹洞宗の板橋興宗禅師の著書を読み、得るところがあった。 そうなのか、そういうことを示していたのか。 たとえば、「父母未生以前の自己」とは何かを言え、 という問いが禅の修業では良く使われるらしい。 自分の父母が生まれる前の自分とは何かを言うこと…

ある上司

先日、会社で新年度を迎えての集まりが開催された。 開催会場の席に着いたとき、偶然かつての上司だった人と隣り合った。 はじめは気づかなかった。 その人は、隣の方としきりに私語をして、なんだか批判めいたことを 口にしているので、しだいに耳障りにな…

夜更けの雑感

駒ヶ根の周辺にも春らしい風が吹き始めた。 冬の間、水を断ってきたサボテンたちにも給水を始めた。 前年11月に最後に水をあげたきりだから、4ヶ月くらい水なしで生活してきたことになる。 乾燥した冬季に徐々に体表面から水分が蒸発して奪われるため、 …

似ている

山本容子『わたしの美術遊園地』のなかに、「ありがとう、淀川さん」という軽妙なエッセイが載っている。 映画評論家の淀川さんに、たった2回しかお会いしたことがないそうだが、 会うたびに、淀川さんの強烈な言葉を浴びたそうだ。 『ぼくの映画百物語』と…

明白なことはかえって分らない?

板橋興宗という禅のお坊さんが書かれた『<いのち>をほほ笑む』という書物を、 いま読んでいる。余りに明白なことは、人間かえって理解できないらしい。 そこに始めからあるのに見えなかったり、つかめなかったりする。本を開くと、 「はじめに−みなさん考…

四元康裕さんの詩によせて

四元さんの詩を知ったのは、そんな昔のことではないのだけれど、いったいどんな風にして読むようになったのか、定かに思い出せない。まあいいか。たぶん店頭で「噤みの午後」や「世界中年会議」を読んで、「お、いいな」と思ったのだろうと思う。この2つの…