たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

国連少女の演説があった

国連気候行動サミットの場で、16歳の少女グレタさんが、激しい口調で環境問題とくにCO2排出抑制を訴えたというニュースが報じられた。


自分たちの将来のために地球を守ろうとする熱い情熱には脱帽するけれど、訴えていることがらの多くは事実と異なっている。
事実と違っている以上、いくら激しく言葉を重ねても、それは虚しく感じる。どこかの思想を借りてきて信念があるかのごとくに語るとすれば、それは嘘を強弁することになるし、洗脳された子とまではいわないが可哀想な子供だと思う。

地球温暖化という現象は過去にも起きているし、寒冷化も起こっている。おもに氷河期と間氷期の間の大きな変動は、何万年にもわたり繰り返されている。
いまは氷河期の間の暖かな間氷期にあり、40万年の繰り返す気候変動の中ではもっとも暖かいゾーンにいて、その中で小さく変動しているところだ。

人間が排出するCO2により、昨今の地球温暖化が激しくなっていると唱えるのは誤りでこれは学者の間では決着が付いていると思う。むしろ気温が上昇していることが原因で、海洋に溶け込んでいるCO2が気化して大気中のCO2濃度を上げているとするデータが観測されている。
時間的な推移をグラフで追うと、まず気温が上昇し、少し後にCO2濃度が上がるという関連が確認されている。

むりやりCO2犯人説を裏付けるようなデータを捏造したIPCCのインチキ性も明らかになっている。2010年にクライメートゲート事件としてこれは知られている。
しかし日本の報道はほとんどこのニュースを報じない。NHKなどはいまだに地球温暖化問題を煽っている。

事実に基づかずに、政治的な動機や、あるいは環境活動として事実をねじ曲げているのは誠に残念のいたりだ。

たとえば南極の氷河が溶けて海面が上昇するなど、ちょっと科学を学んだものならば、そのいかがわしさがわかる。南極の大気が10℃上昇しても、氷は溶け出さない。これは小学校の理科の授業でも習う内容だ。(いぜん塾講師のアルバイトをして理科を教えたときに、残念ながらほとんどの子供は理解できなかったのだけれど・・・)

南極の氷が大気と同じほぼ-40℃だとして、もし大気の温度が10℃温暖化しても、氷の温度が-30℃になるだけである。-30℃の氷は、まだ氷のままで水になって溶けるわけではない。-30℃の氷は固体のはずである。氷が溶け始めるのは、仮に南極の大気が0℃をまたいでプラスに転じるときだ。その時は氷は全て解けてしまう。しかしそれでも、体積収縮が起きるため海面上昇は起きない。
ただし海水の熱膨張の影響があるので膨張分の海面上昇は起きる。

事実に基づく議論という点で、たいへん示唆に富む書に、ハンス・ロスリング著『ファクトフルネス』がある。冒頭にこんな質問が掲げられている。一部紹介する。

質問7 自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?
A 2倍以上になった
B あまり変わっていない
C 半部以下になった

地球温暖化の影響で異常気象が頻発し、さぞ自然災害で亡くなる人の数は激増しているように思ってしまう。しかしデータによると正解はC。報道などにより自然災害がものすごく増えたと思わされているということである。

質問11 1996年には、トラとジャイアントパンダクロサイ絶滅危惧種として指定されていました。この3つのうち、当時よりも絶滅の危機に瀕している動物はいくつでしょう?

A 2つ
B ひとつ
C ゼロ

答はCである。

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報道のされ方で、偏った印象を持たされている例として思い浮かぶのは、高齢者の自動車事故件数である。
統計を調べてみるとすぐわかるのだが、高齢者の事故件数は、20代の事故件数に比べはるかに少なく、1/3から1/4である。
それにそもそも事故件数は年々減っていて、死亡者数の統計をみると、1970年ころにくらべ現在は1/3と激減している。報道のされ方によって交通事故が増えている印象を持つのだが、それは事実とはちがう。走っている車両の数はむしろ増えているはずだから事故率はもっと減っていると思われる。
事実とちがうことを根拠にして、高齢者の免許返納を促進させるような施策が行われているが、的外れでじつに残念なことだ。

 

SNS日記より転載 20190930)