たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

サーリプッタ尊者

怒らないこと、謙虚であることでたいへん有名なサーリプッタというお坊さんの話。 サーリプッタ尊者は、お釈迦様の右腕とされ、周りの信望が厚く、 友人の目連尊者とともに2大高弟と言われている。 目連が神通力第一といわれたのに対し、サーリプッタは智慧…

増田明利『今日、ホームレスになった』〜13のサラリーマン転落人生

あ〜あ、読まなければよかったなぁ、としみじみ思った。板子一枚下は地獄、という言葉を想起する。普通のサラリーマン人生を送っていた男たちが、ちょっとした躓きであっけなくホームレスという立場に落ち込んでしまう体験が、本人の口から語られる。 どれも…

バルタザール・グラシアン『賢者の教え』

箴言集というジャンルは嫌いではない。若い頃は、ラ・ロシュフコーの『箴言と考察』を線を引っ張りながら読んでいた。ことわざ辞典の類も楽しんでめくっていた。 グラシアンという人物の箴言集を知ってから、10年も経っていない。しかしときどき読み返したく…

まっすぐに見る

自分の真の姿が、見えなくなっていることが多々ある。人間は自分に都合よく解釈し理解する性向があるから、出来事に対して結局のところ、なんだかんだと批評して自己讃美で終るなんてことは日常的なことがらだ。人に迷惑をかけることはしないと言いながら、…

変な子供

土曜日夕刻に、会社の後輩を招待して『庭でバーベキュー!』を開いた。後輩のBLOGによると6年間も欠かすことなく夏の年中行事になっているとのこと。仕事にまつわる話題はもちろん、趣味やマニアックな話題まで、自由なおしゃべりができる相手はなかなかい…

自分の力に組み入れる

先日のBLOG記事を書いているとき、頭の隅に気になっている言葉が浮かんでいた。『ひとが否定されないルール』。脳に障害を受け重度の障害者となった日木流奈さんの著書の題名である。略歴を見ると1990年生まれだから今年は16歳になっているはず。この本の出…

優越と劣等

先日から、優越感がいかに人生を支配し、思わぬところへ人を導いてしまうかを考えている。優越することを人はなぜ、これほどまで執拗に求めるのか。価値を置いてしまうのか。その理由をほとんど考えたことがない。なぜならそれは問うまでもなく自明なことだ…

[本]米長邦雄著『不運のすすめ』

米長さんは将棋のプロ棋士、現在は現役は引退されて、日本将棋連盟会長の職にある方。思い返すと10年くらい昔だろうか、やはり米長さんの著書を読んだ気がする。勝負師として生きてきた人の人生観には、独特のかおりがあって嫌いではない。 その嫌いではな…

手を放すとき

これは個人的な経験から帰結されることなので、一般的に正しいのかは分からない。 なにかものごとに行き詰まり、いろいろとあがいて打開しようと努力しても上手くいかずに、半分諦め加減の心境になり執着がフッと抜けてしまうとき、事態の展開が生まれてくる…

科学的な見地から

科学と宗教という対立的な見方を前提に論を進める話は多い。科学技術は進歩したが、宗教は古い教義に囚われて、世の中の進み具合に追いついていないのだと言う論説に関して、先日のBLOG記事に書いたばかりだ。 それは確かにそのとおりだと思う。しかし科学と…

リンゴの木

今日で夏休みが終わり明日から仕事の日々になる。サザエさん症候群というらしいが、休日が終わり、さあ明日から出勤という日曜日の夜7時頃、どことなく落ちつかず、精神不安定状態に陥る傾向が昔からあった。これが連休ともなると休日の長さに比例して、サ…

[言葉]風という言葉

友人のBLOGを読んでいたら、「風は心の揺らぎ、うつろい、情感を生み出すものでもあるように思う。」とあった。 http://d.hatena.ne.jp/kyou2/20060801/p1 むろん大気の流動現象を風と呼ぶのだけれど、それを様々なうつろい易さのたとえに使うところが、日本…

[絵画]無心で描くこと

鉛筆でデッサンを始める瞬間から、これからいい絵が描けそうか、そうでないか決まってしまう何かを感じる。極端に言えば、風景画で始めの水平線一本をうっすらと鉛筆でなぞる時、すでにうまくいったなと判るときと、躊躇いがあって線が決まらないときがある…

[本]どうも引っかかるなぁ

茂木健一郎著『生きて死ぬ私』を、飽きずにひっくり返しては読んでいる。 その理由は、どうも引っかかってしまう一節があるのだ。それは本当だろうかと思いをめぐらせているからである。 ビートルズの「In My Life」の歌詞にちなんで考察されている一節。こ…