たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

健康診断を受けた

週末金曜日は、特別休暇をとり人間ドック入りした。朝の7時半から午後3時近くまで、ありとあらゆる検査をしてもらった印象だった。検査中、こちらが特別動くことはないので疲労するというのは変なのだが、すべてのメニューが終わりドッと疲れたというのが本音。この疲れ、仕事以上だな。


年齢時健診といって、ある年齢になると検査のオプションを受けられる。そこで今回は、脳ドックもやってもらった。しんとした部屋の中央に大きな装置が置かれ、専用ベッドが据え付けられている。ベッドの先端部には頭が入る小さな檻がついている。昔物語にあった「鉢かむり姫」になるわけだ。檻をかぶったままベッドが上下左右に移動して、検査装置の中央部の穴に頭を突っ込む形になる。檻に頭を入れる際、検査技師の先生から、装置の音がかなり大きいので、大型のヘッドフォンを装着する。さらに緊急時のSOSボタンまで手渡されて、もし何かあったらこのボタンを押すように言われる。そういえば、検査前の注意事項に、閉所恐怖症でないかどうかを確認していたな。要するに頭回りはガンジガラメ状態。


それから金属物を体内に埋め込んでいないことを確認される。刺青してないですよね?と聞かれる。刺青に使う色素には金属類が含まれていて検査に影響してしまうのだそうだ。刺青はありませんと答える。検査が始まる。暗闇の檻の中、異様な電子音のような音のする小さな空間に頭突っ込んで、30分間動いてはいけない。正直なところこれには参った。SOSボタンの意味がわかった。


この検査装置は、水素原子の核磁気共鳴という分析法を断層画像に出させたもの。強磁場を当てて、脳内の水素原子を磁場方向に整列させる。整列の度合いをマイクロ波という電磁波を照射して吸収量を見る。体内には水がふんだんにあって、水は水素と酸素から成っている。だから水素原子の分布がわかるのだと、そんな原理を昔大学で習った。水素が励起されても精神活動は影響は受けないのだろうか。まさか、その強磁場に頭突っ込む事態になるとはなぁ・・・ジッとしながら、検査されている頭で考えていた。そのうち眠気が襲ってきてうとうとする。子供が現れてきて何か語りながら、自分の左側をすり抜けていく。なにか気がかりなことを言っているのだが、はっきり理解できない。あれ、いま自分はどこにいるんだっけ。夢を見たようだ。