たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

植物の根は

 東京でも、夜になると冷え込みを感じるようになった。いつもは開けっ放しの窓も少し閉めた。


 それで思い起こしたのだが、先の冬の寒さは厳しかった。暖房したハウスの中も、零下8度くらいになることがあった。いくら水切りをしていても、寒さに弱い多肉植物がずいぶん冷害にやられてしまった。多肉は、すぐ翌日には症状が姿かたちに現れる。変色したり、葉が元気がなくなる。


 サボテンも例年になく多数冷害にやられてしまった。サボテンの師匠の予言どおり冷害の影響はジワジワと夏に出てくる。姿はほとんど変わらない。サボテンの外表面は、外敵から身を守るために武装しているから。しかし所詮は多年草の草だから木のような組織はない。根や球体の内部はとてもみずみずしくて、柔らかい。


今回の夏は、ほぼ半数くらいの植え替えを真面目に行った。数えたことはないが植え替えた苗は、100鉢は優に越えていると思う。元気のない苗はプロ級の眼で見れば変調に気づくのだろうが、慢心していると根を見てみるまで気づかない。


植物の根は、植物のこころの部分だと思う。何を考えているのか、何にへこたれているのかが如実に現れる。ほとんどの古い根がボロボロになって、新根が出ていなくていじけているものや、予想外に根が伸びだしてこれからの元気な成長を予感させるものなど、さまざまだ。
外側に出ているところはそとづらで、まあ見栄を張っている。人間と同じで、肝心なのは心のあり方だと思う。そして定期健診をしてやらなければいけない。


東京の今朝はかなり冷え込み、秋雨も降っている。長野も一段と冷え込んだのだろう。