たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

あるコメント

師は指で月を指しているのに、 弟子はその指ばかり見て、師を理解したと思う。 目の前に見える即物的なものごとに目を奪われて、 真の意味に思いが到達しない。 弟子の理解は指を見ているだけだ、月を見ていないとコメントすると、 その指の定義に関する質疑…

村上春樹『象の消滅』

最近、とある紹介文に導かれて村上春樹さんの小説を読んでいる。 今日は『象の消滅』を読み、深い味わいと不思議さに打たれて 今までにない感動を覚えた。 小説というよりポエジーの充満した長編詩なんじゃないだろうかと考えてしまった。 その前に読んだ『…

イルミネーション

ようやくわが家のイルミネーションの飾り付けが終った。 3年くらい前、庭の木にささやかに飾りつけをしてみたのが始まり。 それ以来、クリスマスシーズンが近づくと欠かさず行う行事となった。 たしかこのイルミネーション、3年前はホームセンターの片隅に …

逃げるより

逃げる苦労より、 それをやってしまう苦労の方が すがすがしい。 逃げることで、自分の心に傷をつける。 よりいっそう心が重くなる。 こうして苦をいとわなくなり 苦労を引き受ける人間に成長し、 大人になっていく。 そのことを自覚する頃には 現役を引退。…

不完全さ  その2

人間は、完全なるものを、理想のものとして追及しているくせに、 反面それを現実に手にすることを回避している。恐れている。 どうもそう解釈するしかないなと思う。 先日職場で、若手と車のデザインについてこんな会話をした。 「車は空気力学的な抵抗が小さ…

不完全なるモノ

それは人間だ。 と始めから結論を出してしまう。 有名カメラメーカのCに勤めている知り合いから、以前聞いた話。 コンピュータを駆使して、光線の軌跡を完全にシミュレーションして、 完全なレンズを設計することは技術的には難しくない。 その知人の話では…

雪が降りはじめた

自宅のある駒ヶ根市でも、チラチラと白いものが舞う季節となった。 夕刻になれば、ぐっと冷えてきて零下2度くらいになる。 そう、あちこちのスキー場は、雪つくりの最中で、 ボチボチとオープン日を迎えている。 「あーあ、また雪の季節になったのね。 スキー…

朝のアイロニー

朝は、今日おきるかもしれない心配事を探すのに熱心になる。 好きでしているのではなくて、窮地に陥るのがイヤだからだ。 チェックといいながら、じつは不安なのだ。 不安と心配のチェックをしながら、人生の時間を費やす。 リスク管理という名目で人生の時…

賞賛を浴びたい症候群

誰にも他から認められたい、褒められたいという欲望がある。 人間は一人では生きられない。 何らかの他とのかかわりの中で生活を送っている。 周囲からどう思われているか、どんな位置にいるのかは とても気になる事柄だ。 しかしそうは言っても、この頃、ボ…

雪のシーズン入り

買い物に付き合って、家に戻ったところ、ハウスの屋根のビニールが、 風で破れてピラピラしているのを発見。まずい! 道理でハウスの温度が上がらず、昼間もストーブが作動していたわけだ。 温度で自動的にストーブのスイッチが入ってしまう。 ビニールは寿…

ぶっ壊れた機械?

真の天才とは、ぶっ壊れた機械だと思う。 その意味はこうだ。 普通の機械は、制御する量が行き過ぎると それを検知して逆方向に引き戻す作用が働く。 目的の値になるようにつねに正逆の力が拮抗している。 専門用語で、ネガティブフィードバックというヤツ。…

不安 その3

みたび不安について記したい。 ボクたちは生命の安全、生活の快適さを求めながら生きている。 それらが脅かされそうになると、恐怖を覚えたり不安になったりする。 恐怖や不安は、いわば安全装置や警報装置として機能してきた。 健康診断を受けたり、体調が…