たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

愛すべき古代ローマの思想家

インターネットの世界は玉石混交。というより駄石の方がはるかに多く、見た目は駄石の山。その中にもぐった宝石を山の中から見つけ出すのは至難の業。調べものでQ&Aサイトなどを覗くことがあるが、思わずローマの思想家ググレカスの口癖を思い浮かべることが…

エゴン・シーレに取り付いたもの

NHK放映のエゴン・シーレの番組を見たお客さんが、すっかりシーレの魅力に取り付かれてしまったらしい。今日お店にやってきて、お店においてある小さなエゴン・シーレの画集を眺めて、さらに感嘆の度合いを深めているようだった。でも自分が驚いたのは、エゴン…

サンプル画に手を入れる

6月の教室で、天竜川の広い河川敷の近くで絵を描いた。風景画の基本になる水平線とそこから派生する道の流れを意識することがテーマ。道の風景を鉛筆で描いてもらった。 いつもやるのだが、描く前にデモンストレーションをする。生徒さんが見ている前でだい…

木炭デッサン・ラボルト完成

もう10時間は優に越えているはずだが、今日ラボルトの木炭デッサンが完成。 描けば描くほど見えてくるものがあって(これまで見えてなかっただけなんだと気づくことが多くて)、どんどん完成が遠のいていく。これが果たして入門編で描かされる石膏なんだろう…

現場での鉛筆スケッチ

野外教室で、生徒さんに自分のスケッチブックを見せながら、こんな構図で、ここに注意しながら描きましょうと手振り身振りでサンプルでスケッチしたものがいくつかある。もったいない気がして、あとになり現場の風景を思い浮かべながら、鉛筆を入れて仕上げ…

中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの』光文社新書

先日、パラで読んでいた2冊が読み終わった。そのうちのひとつが表題の新書本。刺激的な言葉使いは、ネットのニュースサイトの編集者である著者の特性(クセ)だと思う。 でもサイトのアクセスが伸びねぇ・・・とか、思いがけないコメント、あるいは意図してい…

水彩画からのスケッチ

以前、水彩画にしたものを元に、鉛筆でスケッチしてみた。なんだかこの風景は、こちらに突き刺さってくる感じがする。風景の呼びかけというレベルではなく、風景の挑戦状を突きつけられた気がする。この感覚はちょっと名状しがたい。風景を写実的に描いてい…

詩的生活か?

決して自分は言葉が結晶化してくるタイプの人間ではないことは自覚している。つまり詩なんぞ書けやしないし、エネルギーを注ぐような覚悟もないのだという思いがすぐにぐるぐる回ってしまう。そのくせ、振り返れば日々詩を読んでいる日常がある。新聞を読む…

モノクロ画のトーン

最近気が付いたのは、昔に自分が描いた鉛筆画のトーンが単調で、シンプルだったということです。極端に言ってしまえば、紙の白地と鉛筆の筆跡のある濃いところの2つのトーンしかありません。鉛筆には、8Bくらいから9Hくらいまで19くらいの濃さが準備されて…

鉛筆で描く

自宅の周辺は天竜川に向かって下る緩やかな斜面になっています。近所にお屋敷があり、上の道路からお屋敷と周辺の林を見下ろす景色が好きで、とくに林の中を下る道は風情があって、散歩のたびに眺めます。 いつか描こうと思いながら放置していましたが、鉛筆…

風景鉛筆画

何度か出かけた駒ヶ根の中沢と東伊那の中間にある原という地域の風景画です。原地域は、この通りを山に向かって登るだけで、地域の人以外ほとんど人がいません。通り沿いの家々は、ほとんどが下島という姓です。以前絵を描いていたらお茶をいただいたりしま…

鉛筆という道具

別のブログで、日ごろスケッチなどで愛用している鉛筆のレビュー記事を2つ書きました。いずれも短いものですが、実使用経験に基づいています。 鉛筆比較 鉛筆比較 2 有名ブランドのシリーズ化された鉛筆がある一方で、無名に近いけれども魅力ある鉛筆も世の…

鉛筆で描く

先の休日に教室の生徒さんと風景を描きに出かけました。建物の構造をしっかり見てパースに注意しながら描くことをテーマにして、比較的近いところに見えるお屋敷を選びました。難しいのは、建物(実際は門構え)が建っている地面が高台にあり、こちらの目線…

鉛筆画

ところで先日、ある詩誌をやっている方からモノクロ画の依頼を受けました。これまで鉛筆画はいくつか描いていますが、どちらかというと下書き線に近いものです。独立した鉛筆画として描いてこなかったので、モノクロとして見れる仕上げをしようと取り組み始…

娘の結婚式

先月末に次女が結婚式を挙げ、これで我が家は家内と二人。あと老犬が寝そべっている家となりました。いつかはこういう時代が自分にも到来するのだと気づかされます。前夜祭では親族一同が親戚のお店に集まり、楽しく飲み食べたのですが、やはり同世代の間で…

ラボルトをいろいろと手直し

濃淡のグラデーションがうまくいっていないと考え直しました。画像補正をやる方はわかると思いますが、レベル補正の際の白から黒までのヒストグラムの山の形が歪んでいるということです。白と黒のピクセル数が多いのに中間の濃度のピクセルが少なく、あるい…

ラボルトの2回目

昨日は絵画教室。ラボルトの頭像の2回目です。 背景を描かずに表現するならば、石膏のハイライトが真っ白というわけにはいかず、木炭を多少乗せて描くしかありません。すると石膏像が全体的に黒い感じになります。その中でトーン表現をすることになります。…

木炭デッサンに取り組む

すこし日が経ちましたが(6/16)、絵画教室で、新たな石膏像の木炭デッサンに取り組み始めました。パルテノンとかラボルトとか呼ばれている頭像です。パルテノン神殿から出土した女神ビーナスの頭部で、ラボルト伯爵が所有していた由来があるそうです。埋も…

写実画に脚光とか

昨日(6/17)の読売新聞に、『写実絵画 「明快さ」で脚光』という記事が載っていました。写実画が人気を博しているとのことで、不況にもかかわらず画廊やアートフェスタの売り上げも伸びているということです。 その理由のひとつとして、美術運動の衰退があ…

ウェルカムボードを制作

今月末に松本市で結婚する次女から、式場エントランスに掲げるウェルカムボードの制作を依頼されてしまいました。なんでも中央に新郎新婦の似顔絵が入り、その周辺にバラをハート型にあしらって欲しいという贅沢な要望。そんな口で言うほど楽じゃないんだぜ…

もう一枚を仕上げる

いつまでも迷っていても進まないので、筆を入れて仕上げとしました。スケッチ会のもう一枚の方です。絵画の仕上がりにはルールも定石もありません。したがっていつも一発勝負で、繰り返しもありません。 ときどき私のようなものにも絵の相談をされる方がおら…

スケッチ会の一枚を仕上げ

安曇野スケッチ会(5/19)の午後に描いたものを仕上げました。長らく放置というか眺めていましたが、今日バッと筆を入れ、もう完成!と宣言してしまう感じ。手を入れているとキリがありませんからね。描きはじめからの画像も、再度掲載します。どんな風に手を…

復元ポイント

CDに焼かれた700枚の画像の中からいく枚かプリントアウトして欲しいと頼まれて、ホイホイと引き受けたはいいけれど、もともとメモリー容量が512Mと不安のあるパソコンでした。いろいろと操作しているうちにCPU使用率100%となり、事実上フリーズしてしまいま…

円盤投げ半身像の木炭デッサン完了

今日先生のところで石膏デッサンの仕上げをしてきました。今日は仕上げるからねと、始めからプレッシャーをかけられ、おかげで集中できました。なんとか昼には先生のOKをいただき、このデッサンは完了となりました。3回の教室で各3時間くらい、家で少々描い…

無いものを探す

水彩画を仕上げるとき、心を悩ませるのは「無いものを探す」苦しさです。目の前のものを写生するのは、ものをよく見て絵の上に再現させればできます(むろんものをよく見ること自体にも別の難しさはありますが)。でもそれでは、写し取るだけの行為になって…

心で反芻している

絵を描くときに「できるとは、何だろう?」とよく自問します。プロが使う道具をそろえ、紙なども準備して、自分の腕と頭を除けば、すべて条件が整っているのに、憧れの画家のようには描けないし、プロのようにはなりません。そこにはどんな要素が必要なのか…

つぶやき

「理解できるようになる」ということは、ほんとうに時間を要するものだと思います。しかも理解度と一言でいっても、その人の人生経験と考察が背景にあります。深さは千差万別。口にする人ごとに深さはちがっているといっていいでしょう。「わかった、わかっ…

木炭デッサン〜つづき〜

今日は絵画教室に出かけました。4月より取り組んでいる「円盤投げ半身像」の木炭デッサン3回目です。この前の5/19スケッチ会の絵画講評の時間や、お話をしていたり、お茶をしていたりで、実際手を動かしている時間がやや短かかった教室でした。とはいってもお…

スケッチの途中経過

スケッチ会で早描きした風景画に少し手を入れて、もうすぐ完成というところまできました。いったん頭を冷やすために掲載します。(掲載してみるといろいろと客観的に眺められるのです)一枚目。5/19の午前中のちひろ美術館からの風景。 ラングトンF6ブロック…

そんなものですか・・・?

遺伝学の基礎を築いたメンデル(1822−1884)という人、よく教科書にメガネをかけた肖像画が出ていて、修道院の裏庭でエンドウ豆を交配して、遺伝の仕組みを研究したということになっています。でもこの人は、とっても苦労した人生で、生前はだれ一人にも認め…