中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの』光文社新書

先日、パラで読んでいた2冊が読み終わった。そのうちのひとつが表題の新書本。刺激的な言葉使いは、ネットのニュースサイトの編集者である著者の特性（クセ)だと思う。

でもサイトのアクセスが伸びねぇ・・・とか、思いがけないコメント、あるいは意図していないコメント、あるいは曲解されたと感じるコメントをいただいたり・・・というネットにおけるモヤモヤがスッキリと晴れる本だ。

べつに快刀乱麻の解決法がこの本に書かれているというわけではない。むしろネットなんかに期待しなさんな、という慰めがよく飲み込めたということである。本の最終部に、ネット敗北宣言、と書かれている。少し前のページには、ネットはもう進化しないし、ネットはあなたの人生を変えない、という趣旨のことが書かれている。ネットの世界で飯を食っている人がである。いやだからこそ説得力があるのかもしれない。

本に説かれている内容を裏返して応用すると、これまでうすうす感じていた「なぜあのサイトはアクセス数が伸びるのか？」その理由や疑問もスッキリと解決した。では自分のサイトに応用して、アクセス数を伸ばすため裏技をビシバシと適用しようと思うかというと、そんなことにはまったく気が乗らない。それに、その理由としてサイト運営者のキャラクタが深く関係していて、裏技は無理があるし所詮は徒労に終わるとわかったということである。