たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

鉛筆で描く

先の休日に教室の生徒さんと風景を描きに出かけました。建物の構造をしっかり見てパースに注意しながら描くことをテーマにして、比較的近いところに見えるお屋敷を選びました。難しいのは、建物(実際は門構え)が建っている地面が高台にあり、こちらの目線より上に位置していることです。つまり自分がお魚だとして、自分より上にある水面を下から覗くようにして描く必要があります。


パースのポイントは、無限遠のところにある消失点を意識して(基準にして)手前の建物の向きや軒先の方向が捉えられるかにかかっています。部分部分を凝視して描くと、局所的には描けても、全体のパースの中では詰めが甘くなる傾向が出ます。細かいところは後回しにして、まず全体の構図、それに絵に収める範囲などを決める方が仕上がりは早いです。


構図の決め方などをお話しながら描いたものが下の鉛筆画です。説明のために落書きした余分な部分を消して、絵にするため加筆しています。
手前の樹木には、夏らしい葉の繁りがあったのですが、それを垂らすようにして描いたほうがよかったかもと思いました。でも、画面がうるさくなるかもしれません。

マルマン F4スケッチブック 鉛筆HB、2B、4B 2h程度