たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

そんなものですか・・・?

遺伝学の基礎を築いたメンデル(1822−1884)という人、よく教科書にメガネをかけた肖像画が出ていて、修道院の裏庭でエンドウ豆を交配して、遺伝の仕組みを研究したということになっています。でもこの人は、とっても苦労した人生で、生前はだれ一人にも認められなかったそうです。


大学の先生になりたくて資格試験を受けるけれど、頭がよくないとかで3回失敗。けっきょく修道院に職を得た。エンドウ豆を使った歴史的な遺伝学の基礎論文を、当時の学者に送るけれど、くだらないという理由で突っ返された。この論文のなかで、当時まだ知られていなかった遺伝子に相当する粒子状のものの組み合わせで形質が決まるという説を唱えたわけだけれど、それが「くだらない」という査読を受けて、どれだけ残念だったことでしょうね。


その後、論文を自費出版して世に問うたらしいけれど、だれも注目しなかったとのことです。イヤになって研究をやめてしまい、彼の死後16年後の1990年に、他の学者からこの論文の引用がなされて、ようやく彼の唱えた遺伝の法則が認められたそうです。


この話を思うたびに、ゴッホのことも思い浮かべてしまいます。生前に一枚も売れなかったということですから。