たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

モノクロ画のトーン

最近気が付いたのは、昔に自分が描いた鉛筆画のトーンが単調で、シンプルだったということです。極端に言ってしまえば、紙の白地と鉛筆の筆跡のある濃いところの2つのトーンしかありません。鉛筆には、8Bくらいから9Hくらいまで19くらいの濃さが準備されているというのに。


クロッキーが、ほぼ2つのトーンで、しかも線のみで描かれます。鉛筆画は、さらに面を使い複雑なトーンの組み合わせを表現することにより、いっそう深く豊かな世界を出現させると気づきました。


色のない世界なのに、複雑なトーンの描き分けが出来ている鉛筆画作品は、色彩を想像させます。鉛筆で赤を描いたトーンと青を描いたトーンは異なっているので、見る人はそれを判別し、さらに色まで想像するのです。


この辺のことに気づいてからは、よりいっそう鉛筆画に惹きつけられています。


松本市四賀の風景。描いてみたい風景のひとつ。