たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

賞賛を浴びたい症候群

誰にも他から認められたい、褒められたいという欲望がある。
人間は一人では生きられない。
何らかの他とのかかわりの中で生活を送っている。
周囲からどう思われているか、どんな位置にいるのかは
とても気になる事柄だ。


しかしそうは言っても、この頃、ボクたちの生活において、
「賞賛を浴びたい病」が強すぎないか。
つまり賞賛が欲しくてたまらなくて、それを生活の中心にすえて、
ついには生きる目的であるかのような価値観のズレだ。
「受けねらい」や「笑いをとる」など、
まるで芸人的価値観に知らず知らずに陥っているのじゃないか。
他に阿ねすぎるのではないか。


TV番組の傾向も影響しているだろうし、多くの人が容易に自分のHPや
BLOGを開設できるようになった背景もあるだろう。
サイトの価値は、アクセス数でわかるという考え方は、
一面の真理ではあるが、全てではない。


いつから「賞賛病」に罹ったのだろう。
いつからショー的人生観にすりかわったのだろう。


賞賛を浴びることはとても名誉なことで、それに異論はない。
いい仕事をしたり、いい作品を世に出すことができて
それが認められることはとても気持ちのよいものだろう。


それは「賞賛に値する事柄」を成し遂げた結果だからである。
孤独で強い意志をもち、長い年月にわたり
自分の目的を追求し続けた結果であるのが普通だ。
忍耐とか、人知れず努力するとか、とても地味な生活がほとんどであろう。


しかし賞賛されることを目的に、事柄をなすのは、
人からどう思われるかを生活の指標にして生きることで、
ある意味でとても悲劇的な状況なんじゃないか。