賞賛を浴びたい症候群
誰にも他から認められたい、褒められたいという欲望がある。
人間は一人では生きられない。
何らかの他とのかかわりの中で生活を送っている。
周囲からどう思われているか、どんな位置にいるのかは
とても気になる事柄だ。
しかしそうは言っても、この頃、ボクたちの生活において、
「賞賛を浴びたい病」が強すぎないか。
つまり賞賛が欲しくてたまらなくて、それを生活の中心にすえて、
ついには生きる目的であるかのような価値観のズレだ。
「受けねらい」や「笑いをとる」など、
まるで芸人的価値観に知らず知らずに陥っているのじゃないか。
他に阿ねすぎるのではないか。
TV番組の傾向も影響しているだろうし、多くの人が容易に自分のHPや
BLOGを開設できるようになった背景もあるだろう。
サイトの価値は、アクセス数でわかるという考え方は、
一面の真理ではあるが、全てではない。
いつから「賞賛病」に罹ったのだろう。
いつからショー的人生観にすりかわったのだろう。
賞賛を浴びることはとても名誉なことで、それに異論はない。
いい仕事をしたり、いい作品を世に出すことができて
それが認められることはとても気持ちのよいものだろう。
それは「賞賛に値する事柄」を成し遂げた結果だからである。
孤独で強い意志をもち、長い年月にわたり
自分の目的を追求し続けた結果であるのが普通だ。
忍耐とか、人知れず努力するとか、とても地味な生活がほとんどであろう。
しかし賞賛されることを目的に、事柄をなすのは、
人からどう思われるかを生活の指標にして生きることで、
ある意味でとても悲劇的な状況なんじゃないか。