たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

ぶっ壊れた機械?

真の天才とは、ぶっ壊れた機械だと思う。
その意味はこうだ。


普通の機械は、制御する量が行き過ぎると
それを検知して逆方向に引き戻す作用が働く。
目的の値になるようにつねに正逆の力が拮抗している。
専門用語で、ネガティブフィードバックというヤツ。


世間の常識的世界は、この中庸を保つという
ネガティブフィードバックの力学から成り立っている。


天才は、その機構が壊れているのじゃないか。
行き過ぎて逆方向に引き戻そうとはしていないらしい。


ネガティブフィードバックという言葉があるとおり、
それとは反対の、ポジティブフィードバックの制御もある。


制御する量が増えた場合、その量をますます増大する方向に機械が働く。
マイクをスピーカに近づけ、キーンという発振音が出てしまう状態。
スピーカの音をさらに増幅する。留まるところがない。


天才というとどうもこの壊れた機械の状態を思い起こす。
自分でも制御が効かなくなって、トコトン、能力の限界まで
発振し続けているような気がするのだ。
人間の能力のものすごさを、われわれ凡人に見せつける。


限界を越えてしまって、自己破壊する場合が多い。
天才は、神に愛された人種なんだろうか。