たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

私は特別だが・・・

Y新聞の発言小町(トピック&コメント)欄を読んでいて、ふと考え込んでしまった。
『腹をわって話せない母と高校生の娘』というトピックで、つまり娘が話をしてくれなくて、
聞いても何となくはぐらかされるという母親の悩み。


コメントには「実は私もそうだった(つまり子供として話をしなかった)、
その理由は・・・」と同じ趣旨の意見が、何人かの方から出ていたのだ。
要約すると、親の態度が、子供に対して常に批判的で、「子供のクセに」とか
「偉そうに」とか差別し、かつ話を聞かず否定的だったということだ。
子供の発言に対して、必ず、否定・けなし・バカにする・小言・揚げ足を取る・・・
というオンパレード。


そこまでやられりゃ、そりゃ子供が話をせずに無視に出たって仕方ないだろうと、
思ってしまった。また、そんな親が実に世の中に多いのだなとも。
トピックの主がそのようなケースなのかはうかがうすべもないが、
コメントの多さや内容から、世の中の様子をうすら寒く感じた。


家庭内のみならず、職場や社会の中でさえ、自分より下の人間(この言い方好きでないが)に対して、
このような態度を取る人間はいる。
どこの世界でも同様の精神構造で生きている人間はいる。
かく言う自分も、このような親と遜色なくひけをとらない親もとで、
幼年期や少年時代を過ごしたクチだったから、気持ちがよくわかる。
貝のごとく沈黙し嵐が過ぎ去るのを待つという、大人びた処世術や、
無駄なことは決して口にしない、必要なことまでギリギリ言わないという
人生観を養うのに役立った。


部下のクセにとか、子供のクセにとか、女だてらにとかいう言葉の根源にあるものは、
みな同じである。「自分は偉いのだが、周りの下らない奴らは・・・」という差別観である。
そういう態度をとること自体、ちっとも偉い人間なんかではないことを証明しているのに。
心の闇はどこまで深いのか。