たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

言葉

頭のよさというテーマの本を読んでいる。

おそらくそうした能力はこれまでそう正確には測られてこなかったことだろう。たぶん「カンがいい」とか「ツキがある」とか「運が強い」として片付けられてきたのではないか。しかし、これこそが本当の<知的>能力で、解き方を教わったり、手順を丸暗記して(記憶して)できることをはるかに凌駕する能力なのである。
植島啓司著『「頭がよい」って何だろう』集英社新書p.11

たぶんこの本は読了できないだろう。なぜならこの本、じつは世界最難関のIQテスト集で、<時間無制限、子供でも解ける、解けたら天才!>のパズル集だからだ。


でもこの冒頭の言葉はとても面白い。努力して積み上げ式の訓練の中からは決して到達できない知性というものが世の中に存在することを、まっとうに述べているからだ。いわゆる天才!と呼んでしまう知性である。通常の努力の積み重ねで得られる前進を、いともやすやすと飛び越えて、はるか彼方にある答えに到達してしまう能力のことだ。


先日読んだ別の本だが、こんな言葉が載っていた。

東大卒でも全然使い物にならない人もいますし、学歴がなくても圧倒的な実績を持っている人もいます。

簡単にいえば、「勉強だけができる人」と「頭が良い人」とは違うわけです。

「勉強だけができる人」というのは、過去に見たことがある問題をやらせれば高い点数をとるでしょう。しかし、今まで見たことのない問題に出くわしたときに、できない可能性が高い。彼らは過去問題集をひたすら解いている人なのです。

一方で「頭の良い人」は、今まで見たことのない問題も解くことができるのです。彼らは過去問題集などやらなくとも、その分野の基本的な参考書なり教科書を一冊読んでいるだけで、応用問題も解けてしまうのです。
苫米地英人著『頭の回転が50倍速くなる脳の作り方』フォレスト出版p.20

この能力について、こう述べている。

「いかに触れられない世界を自分の体で触っているかのように感じられるか」
なのです。
そして、重要なのが単に高い抽象度の世界を感じられるというレベルじゃないということです。操作できなければならないのです。
その世界をまるで今、目の前にある世界のように手に触れ、舌で味わい、体で感じることができ、さらに操作できるのがIQなのです。
同p.25

こうしてみると自分では意識をしていなかったが、最近読んでいる本の傾向から、頭のよさについてこだわっている自分がいる。きっと現状から抜け出す手段はないだろうかと考えているんだろうな、きっと。