たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

階層化して構造をつくる

頭の使い方で、階層化という概念はとても重要だなと思うようになった。時間は一方向だから、ものごとはつぎつぎとやってくる。頭はシリーズでやって来る情報の中で活動しなければならない。しかもそれらの情報は脈絡なく、かつ重要性もまちまちだ。この情報の海の中で順番に案件を処理しようとすると、容易に想像がつくように、すぐにオーバーヒートして破綻してしまう。所詮、天才でもない人間の処理能力には限界があり、やってくる情報のほうは際限がない。やらなければならない案件は増大の一途と言ってもよい。


情報に触れたときまず行わなければならないのは、情報の重要度判断と優先度判断、そして階層化である。重要度の低いもの、優先度の低いものは、ドンドンと先送りする。見切りをつけてしまう。そして頭の中が、それらに支配されないようにする。具体的にはメモだけとって忘れてしまうようにする。こうすることで、頭の中はクリーンでほんとうに重要なことだけに集中できる。こんなちょっとした習慣と実践でどれだけスッキリと作業がはかどることだろう。


見切りをつけることはとても価値のある行為だが、実行するのは本当に難しい。


さらに事態を困難にするのは、興味深いことがらには、どうしても引き摺られてしまう傾向にあることだ。やらなければならないことより、やりたいことにどうしても関心が向く。これは客観的にやるべきことか、単に自分がやりたいだけなのか判断する必要がある。この辺がボンヤリとしていて、区別できない人は意外に多い。ごちゃ混ぜにして動機が曖昧だと、人も説得できない。その辺を鋭く見透かされてしまう。人の持っている厳しさというものは、同じレベルにある人間にはそれとなく分る。一番大切な能力は、判断力なのかも知れない。