[身辺雑記]魚のシッポ
「あら〜、今日もシッポだわ!」
昼休み時、お弁当を開けた女性が叫ぶ。
「どうしていつもシッポばかりなのかしら・・・」
どうやら会社のお昼の弁当のおかずのことらしい。
魚の頭の方に当たったことがないというのだ。
お魚がまるまる入っていることはないのだから、
頭の方かシッポの方になるのは、半々のはずだ。
「潜在意識で、シッポが好きだとか何とか
思っているんじゃないですか?」
とこちらがチャチを入れる。
「そうなのかしら、シッポの方がおいしいというから、
案外そうかもしれない」
と真剣な顔をする。
「まさか、ふたを開けて頭のほうを選ぶ訳にもねぇ・・・」
ふと、お弁当に納まっている半分に切られた魚の身になって
考えてしまった。
《おいおい、こちとら食べられたくて、ここにいるんじゃないワイ、
頭がいいのシッポがいいのと、言いたい放題じゃないか、マッタク!》
ホント、人間は身勝手なものだなと心で思いながら、
こちらは弁当の豚肉に食いついていた。