たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

何を捨てて、何を見せるか?

上手に撮られた写真をみるとき、ワクワクする。その理由のひとつは構図だ。大胆にトリミングされ余計なものを捨てている。ここまでカットしていいのかと思うくらい。目線を他に散らさせない。見せたいものを鑑賞する者にグッと突き出している感じだ。あえて不安定なナナメの構図を使ったりする。このようなワザは写真独特のものだ。


慣れないうちは、フレームの中にきっちり納まった写真にしてしまう。人物でも足先から頭までスッポリ納めた構図にしてしまう。無難だがつまらない写真となる。それに日の丸構図といって対象をフレームの真ん中に配置したりする。記録写真ではないのだが、頭がそこから抜け出せないでいる。対象のどこを表現したいのか写真の意図が絞られていないということだ。漫然と撮った写真というものは主張がないということだろう。