たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

石膏デッサン2枚目が完了!

昨日(4/21)、絵画教室にてアリアス石膏像の木炭デッサンを描く。アリアスのデッサンの2枚目。3月より描き始め、3回目の教室でようやく先生のOKが出る。石膏と格闘した教室はこんな空間。

《完成したばかりのデッサンとモデルのアリアス像》


今回のデッサンは、自分の足りないところが明確にわかり、よい修練だった。理解の足りないところはいろいろとあるが、いちばんの大きな気づきは、木炭の濃淡を使ってハーフトーンの多彩な表現を身に付ける訓練なのだということろ。線で描くクセが付いていると、木炭を握っても黒か白かのたった2つのトーンしか意識に上ってこない。しかしそうではなかった。無限といってよいハーフトーンの段階があり、そのバラエティさにまず気づくこと、そしてそれを木炭という素材を用いて紙の上に表現することだ。それが油彩画(西洋絵画)につながっていく。


先生の言。


●いちばん明るいところは画面にひとつでいい。いちばん暗いところも画面のなかでひとつ。
その2つ以外は、すべてハーフトーン。画面のほとんどがハーフトーンだといっていい。
●デッサンは、とにかく面、面、面で描くこと!
立体は面の集合体なので、それぞれの面の明るさ暗さをしっかり見て、表現する。手の届く範囲の近い目線でデッサンを見ていると、ほとんど見分けのつかない濃淡の差も出てくる。でも離れるとその差は見える。だから近くで見ているだけではダメで、立って離れて見ること。微妙な濃淡の差を調べ描き分けること。目で見ているだけではよくわからない場合は、手を使って石膏を撫ぜてて凹凸を確認すること。


・・・そうなのか、すごい徹底した世界だな。でもそのことが今回よくわかった。そこがちょっとうれしい。それに先生の模範演技の描きぶりを見ていたら、石膏像を構成する小さな面のひとつひとつに、ていねいに木炭をのせていく。ときに大胆、ときに繊細という感じだった。


デッサンの方はこんな仕上がり。

《完成した石膏デッサン 木炭紙 教室で3回 計10時間程度》


いちばん苦労したのは首の表現だった。円筒になっていて、かつ鎖骨につながっている筋が皮膚の下にある。この部分は本当に濃淡が微妙だ。何べんも何べんも描いたのだがいまだスッキリとしていない。
あとは一番下の胸部がカットされたラインの表現。このラインは錯覚しやすく、正確に捉えるのが意外に難しい。


これも先生の言葉。


濃淡の表現が微妙になると、デッサンがツルッとしてしまい、かえって立体感が出てこなくなる場合もある。(つまりつるりとした滑らかな円筒みたいな描き方)このような場合は、あえて小さな面の集合体として、多面体のようにゴツゴツとした立体としてとらえることも必要。
・・・う〜ん、とても深い。


細かいところを言い出せばまだまだの部分もあるが、全体としてはまとまったと思う。先生の言では、木炭の濃淡の美しさが出てきたとのこと。
次回も石膏デッサンに取り組む予定だ。