たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

非効率な労働

正月休みを駒ヶ根で過ごした。地元の書店でふと、吉越浩一郎さんの書かれた『ムダな仕事はもう、やめよう!』を手に取り、興味を引かれて購入した。日本人サラリーマンの非効率的な働き方に焦点を当てて論じているのだが、この吉越さんという方は、2004年度の平成の名経営者100人の一人に選出された方だ。


先進国の国際的な基準からすると、ONの時間である労働とOFFのプライベートな生活は対立していて、仕事が終れば(仕事を終らせれば)、あとはプライベートな生活にスイッチを入れ替える。会社にいる時間は、できるだけ効率的に仕事をこなすために努力し集中する。オフィスはそのために個室中心で、静かで効率的に仕組まれている。だから日本では当たり前の、大部屋でのワイワイガヤガヤの雰囲気、ムダ話が飛び交い、定時後もダラダラ残業しているという状況はないとのことだ。

私生活を犠牲にすることを厭わず、無意味にだらだらと働いているのは、私の知る限り日本人だけだ。

p.32


日本のサラリーマンのライフスタイルは、人生の持ち時間のなかで労働時間を最大限まで拡大し、逆にいえばプライベートな時間を最大限圧縮して生きることが強いられる。それが良く働く優秀なサラリーマンということで評価されるからだ。いわゆる家庭を顧みず人生を仕事に捧げるというヤツだ。でも考えてみればこれは本当におかしなことである。人生のすべてを仕事に捧げる仕事観に、家庭も家族も子供の教育も自分の生活も入り込む隙間がない。何のために生きているのだろう。


こんな言葉も。

「余生」は、人生で、もうやることがなくなった人が使う言葉です。
でも老後は決して、「余った人生」などではありません。
本当は、リタイヤしてからが人生の本番。
つまり「余生」ではなく、「本生」が正しいのです。

P.43

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