たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

あがり

いつかは終わりが来るものだ。
先日、会社から研修案内を受け取った。見てみると、○○歳リフレッシュ研修とか記載されている。この○○歳とは自分の年齢のことを指しているではないか。内容はというと、初日は健康を維持する話や、運動、食事、そして年金の知識。2日目は、これからの人生設計を考える。3日目から5日目までは、リフレッシュのための休日(会社に来なくてよい、あるいは会社に来ないように)。つまり仕事に関連する能力向上という講座ではない。早い話が、リタイアに向けて会社人間意識をクールダウンして、第2の人生への助走を付けて下さい、というようなことを言っているようだ。
他人事として見ていた定年の文字が、もう現実味を帯びてもうそこまで来ているということを示しているのだ。


人生の終わりというわけではないが、人生の大半が終わってしまうような気分に陥ってしまう。あれほど会社人間になんかならないぞと固い決心をしていても、長年会社の中で生活をしてくると、会社生活のいいところなんぞも味わってしまって、まんざら居心地が悪くはなくなっているわけだ。住めば都というではないか。魚心あれば水心などとも言う。ありあまる自由な時間が手に入りますよという時になって、今までの不自由な生活を懐かしみ手はなす踏ん切りがつかないとはなんと皮肉なことなんだろう。何十年という平日の連鎖の中で、日々一ミリにも満たない変化が積み重なり蓄積された重み。