姿勢
人生は皮肉な面がある。
周囲の人々からよく思われたいとか、
まったく周りのひとへの影響や、
ましてや自分の思い通りに人を支配するなどと
考えていない人が、世の中でひっそりと生きている。
しかし、何かの偶然で、人に知られるところとなり、
長いあいだに人のこころに残り、ジワジワと影響を与え、
かえって大きな流れを作るということがあるように思う。
誰によく思われたいとか、影響を与えたいとか、
そんな考えとはかけ離れたはるか遠くの地点で、
ゆっくり一貫して貫かれる生きる姿勢。
時間も距離もはるか遠くのボクたちのこころに、
もっとも魅力的で、もっとも深刻な影響を、
与えてしまうということがあるんじゃないだろうか。
本当のものは、そんな風にゆっくりと伝播しながら、
影響を与えていくのではないだろうか。
それこそ、信頼するに足るもの、
あるいは信頼してたとえ騙されても、
それはそれで十分だと思える、優れた生き方、たからものと
いえるのじゃないか。