たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

個性を目指すべきじゃない

絵を再開して10年くらい経過したのだなと思った。


若い頃は、デッサンの技術をいくら鍛錬しても、テーマがない状態で、
何を描いたらいいのかわからず、スカスカしていた。
つまり絵に芯がないんだな。


が、いまは逆になった。
風景からうけるインスピレーションを、
どうやったらぴったりの表現になるんだろうと悩む。


絵は水彩に限ると断言する友人がいる。
ボクの場合は、水彩もひとつの通過点じゃないか
という気持ちが半分ある。


画材は、なんだっていいんだ、結局。
描きたいものがブレてなければ。


たまたま友人の場合は、水彩のボカシみたいなところが
最終的に使いたい表現だということだろう。


ただ個性を目指すべきじゃない。
個性は目標じゃない。


美を描きながら、真剣になればなるほど、
固有に絵に表れてしまう香りのようなものが個性であって、
それは結果なのだと思う。


それに煩わされてしまうと、あえて人と違ったことを
するプレッシャーにさいなまれる。
目標は美なんだ。