たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

目標を持つことは何のため?

ハッと気づかされたのは、栗原さんの本の一節。「目標って、そんなに大切なの?」と堂々と書いてある。正直、人生の中で目標のくだらなさや役に立たなさを嫌というほど感じて来たはずなのに、それを正面切って否定するような言動に出たことはなかった。だからハッとしてしまったのだ。


栗原さんは言う、

だから頭に描いたプラン度通りにことを運ぶことを第一に、努力するのが、それほど偉いとは思えない。そんな思いからも、僕は人生の中で何か目標を持つ、ということは昔からなかった。


栗原幹雄著『面白いことをとことんやれば、「起業」は必ずうまくいく。 フレッシュネスバーガー社長の現場的発想法』p.86


どんなビジネス書にも、目標を持て、スケジュールを立てろ、さらに細分化しろと、そんな窮屈なことがいっぱい書いてある。目標論者の花盛りといった様相なのだ。それに子供の頃からの教育で、目標を立てることがいかに重要か、それがいかにいい子の証なのかを、脳みその深くまで叩き込まれてきている。目標を立てることは意味がないということは憚られる。おそらく誰もそこには心理的抵抗感を感じるに違いない。


でもどうなのだろう、これまでの経験のなかで、目標を立てたことがどれくらい役立ち、人生を有意義にしてきたのか。自分の経験から、目標どおりにものごとが進まないばかりか、現実はもっと複雑でいろいろな余計な要素が絡んできて、もっと自分が賢かったならばこんな杜撰な計画は立てなかっただろうということのほうが多い。(こんなことを書くと、目標を立てスケジュールを作って努力することがいかに重要かと、計画を立てることが好きな人々から反論を浴びるのだろう)


そもそも目標自体が、常にどこかから管理され仕組まれ与えられてきたのではなかろうか。自発的にものごとを始めたとしても、それを目標というスケールに当てはめ、スケジュールという時間の細分化のなかで、それを安心材料にしてきたのではなかろうか。目標を立てることが、どのくらい役に立つのだろうという視点を持っていてもよいと思うのだ。


重要なのは、いかにやりたい夢を実現するための行動を「現実に」行うかだ。行動をよく詰めて、なにが必要で、なにが効果的でなにがムダになるかを見極めて進んでいく、その実践的な行動力の方を厳しく問いたい。



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