たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

ちょっと落込んだ

きょうは特に体調も悪いところもなく精神的にもへこんでいないのに、会社の中で自然にフッと陥没するような感情の落ち込みを経験した。人と言い争ったわけではないし、ごく普通に仕事をしていただけだ。またウツ状態に落込んだというわけではない。デスクに座り、職場のなかを人が歩いているのを眺めていたら、突然考えが浮かんできて、なんだかこういう風に語りかけてくる。

「人はそれぞれよいところも嫌いなところも併せ持っていて、とくにいいところばかりの人はいないし、嫌いな面ばかり持っている人もいない。みんな例外なくいいところとよくないところを一緒に持っている。
それをお前は(自分は)、気に入っている人のことは、いいところばかり見ようとしているのに対し、嫌いなタイプの人間には、ことさら悪い面ばかり探している。けっしていいところを見ようとはしていない。
そもそもよいとか悪いとかいっても、単に自分の都合にとってよいか悪いかを言っているだけで、何ら絶対的な価値観がそこにあるわけではない。
いわば、自我の牢獄の中に捕らわれているだけじゃないか・・・
そんな中で、ああだこうだといっていて、一生牢獄から抜け出すことはないのだな。だから真の姿を知ることも見ることもなく、お前は(自分は)小さな我見の中でまみれていくんだな・・・
絶望感あるだけだな・・・

禅の修業でもしているのならば、省ありということになるのだろうか。でもちっともうれしさがこみ上げない。ばかりか自分のこれまでの蓄積したものや、作り上げて来たと思ってきたものが、ガラガラと崩れていく喪失感と絶望感が強まった。それらを捨てなさい、しがみついているものを手放しなさいといわれているような、なんとも辛い感じなのだ。価値があると思っていたものが、よく見るとなんだガラクタではないか。石の割れたものやガラスの破片だったのではないか。
気持ちはとても好調なのに、なんとも正反対の嫌な気づき。こんな日もあるのかな。

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春らしく花の画像をアップして、気分を直そう。
家内が熱心に作っている庭の花壇のひとつ。いつのまにかガーデニングの腕をあげたのかな。今年は花々が元気だ。

白いチューリップもなかなかいいものだ。しかし初々しさをうまく写せない。この写真はネムイ感じになってしまった。