たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

さくらの蕾はいつ作られる

信州の冬は寒く、零下15℃くらいの低温になることはザラだ。雪の多い年には樹木は雪に埋もれたままということもある。そんな環境下で木々は体温を持たないのにその寒さにも凍らない。細胞が無事というのは不思議な生理だ。そして春になるとその訪れを検知し、いっせいに活動を開始する。


春の気温上昇をどのようにして感知しているのか不思議。気温の変化を間違わず察知して自分の活動のタイミングを決めている。温度計があるわけではない。何らかの化学反応か化学平衡の進み具合を体内で検知しているのだろうけれどね。


ある本を読んでいたら、さくらの蕾は、花が散ったあとの夏から秋の気温の高い時期に、そのおおもとの「花芽(かが)」が作られるらしい。そして冬に向かい気温が下がるとその芽も休眠してしまう。


面白いのは、いちばん寒い真冬に、その寒さが刺激になり目覚めて活動を再開することだ。寒いときには外見は枯れ木にしか見えないけれど、内部で懸命に活動を起こしている。動物の冬眠とはややことなり、気温の変化により活動を停止したり再開したりしている。それが真冬でも。


そういえば、寒い冬に植物の芽は次第に大きくなってくるね。虫の活動のタイミングに合わせて自分の花芽の成長のタイミングを作ってのだろう。
花芽がいつできるのかに応じ、剪定すべき時期が決まるんだよね。花芽ができているのにバサバサ剪定すると、花がサッパリつかないという事態を招く。