たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

あとがき 〜その2〜

人より抜きん出ることを目的にして努力を重ねて、一歩でも人より先に出ようとする生き方に、ゴールはないのではないかと昨日、記した。疑問は続く。


こういう今風の行き方における成功(幸せ?)とは、結局のところ遅れた人を見下すことで、おのれの優位性を認識して得られる貧しい満足感だという点。自分の優越感を満たすためには、そのような人を探し出し、かつ見下さねばならない。


おのれはこれほど偉くなった。これほど金持ちになった。いろんなものを持っている。あるいはオレはこんなにも賢い。


こんな不自由な生き方があるだろうか。こんな不安定な地位にしがみつく頼りない生き方。どのような高みに登っても、いずれは後世から抜かれる。世の中は流れ流れて変化しないものはない。


おそらく優越感は、幸せとは無縁のものである。自分と人との差を見つめる視線からは、人と共に生きる姿勢は生まれてこない。最終的には、孤独の中に空虚を味わうことになるだろう。たぶん、自分を支えてくれているもろもろを無視し、そこから離れてしまった見返り(罰)として。



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