ちょっとした履き違い
「画家になりたい」という言葉で何を意味するかは人によって違う。
「画家と呼ばれたい」という外見や見栄を気にした発言もあるし、「絵を描いて生計が成り立ったら」という願望もある。
「出世したい」という言葉も意味はさまざま。単に「偉ぶって崇め奉られたい」というのから、「資金を動かして大きなビジネスを始めたい」というのだってある。
「立派な人になりたい」という立派な心がけだって、「立派な人として周りから尊敬されたい」というのから、「死の直前でも後悔せず、自らよい人生だったとしみじみ思える人生を送りたい」というものある。
前者の考え方は、すべて他人との関係性において、自分の価値と評価が定まる。相対的な位置関係だから、周りの他人を蹴落とすことで自分が高まるかのように見える。
後者は、自分の内側から湧き出てくるものを基準とする。ここには蹴落とす相手はいない。蹴落とす相手がいるとすれば過去の未熟な自分。階段を登るように人格を高める道。