たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

パッと見

かなりの時間が経過した後で、人にあったときの第一印象をありありと思い出すことがある。その後の付き合いの中で、だんだんとその人となりが判ってくるにつれて、その第一印象の位置づけがより明確に固まってくる感じである。なんとなく嫌な感じがしたとか、違和感を感じたなどの些細な印象。これが実は真を突いていて、その後大変な目に遭わされることになるとか、仲たがいをしてしまうなど、将来のよからぬことをなぜか予感していたりする。


たぶん、無意識のうちに相手を把握する能力が人には備わっているのだろうと思う。しかし、そのような把握の方法は理屈に合わないし、知りもしない人を予断を持って見てはいけないと教育されているから、不合理な感覚は押しつぶされてしまう。まして利害関係を持っていたり、上下関係のある組織の中ではますますそんな第一印象は捨て去られることだろう。


パッと見たときの把握のしかたは子供がよくやっている。あるいは犬なんかもどこか本能で人を判断しているようにも思う。あれは一番敏感な防衛本能を活用しているのだと思う。嫌な感じとか将来の危険をどことなく察知する能力を大人でも備えているはずである。無意識の領域で作用する当たり前の能力なのかもしれない。


人の意外な側面を知り「オヤ、人はかけによらないのだな」と思う経験は稀なことである。稀だから印象に残っている。大多数は、ああやっぱりそうだったのかとそんな気がしたと感ずることの方が多い。直感は過たないとも言う。最近思うのは予断を持ってパッと人を判断すべきじゃないかということだ。嫌なものは嫌と言え。