無能のレベル
階層社会において、その構成員は無能のレベルに向かって昇進するといったのは、
ローレンス・ピーター博士。たしか学生時代に翻訳本を読んだ。
昇進が停まるのはその地位が能力に見合っているからで、
それ以上昇進してしまうと、無能のレベルに達してしまい、
仕事をうまくこなせなくなる。
また無能のレベルに到達していない人は、無能レベルに向かって、
昇進を続けることを表現したものだ。
人の能力に見合った地位をそれぞれ占めてしまうと、どの階層の人たちも
無能のレベルに達していて、組織としては手一杯の状態になり、
積極的な自分からの発展は望めないということになる。
そして有意義な仕事は、それはまだ無能のレベルに到達していない人たちによって
なされるということも帰結される。
あなたの上司は無能のレベルに到達した人物であるか?
あなた自身は無能のレベルに到達してしまっているか?
こんなチェックをおこなうテストもあるくらい、
無能のレベルに到達した際に呈する症状は決まっている。
いわゆるアップアップしたおぼれる人に共通した症状である。
仕事の判断ができない、したがって決断できない。
全部否決する。あるいはなんでもOKになる。
何を言ってもムダという感じがある。
忙しさに隠れている。身を任せている。
要するに創造的仕事を作り出すのではなく、
人の作り出した仕事に追いかけられているということだ。
せめて週末には1週間を振り返り、身の回りや自分自身が、
こんな症状を呈していないかチェックしてみたいものだ。
でもまあ、ピーター博士の見方は、人の能力が一生涯固定的で伸びずに終るという、
前提に立っているのだよね、とも思う。新たな地位に見合った能力開発や、
自助努力という部分も世の中には多々ある、とも思う。