たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

道具に凝って

ちょろちょろと買っていたスキー板のチューンナップ道具だが、
その道具の目的などを理解できるようになってくると、
素人向けの「ちょっとそれらしい」道具では飽き足らなくなってくる。
板にはエッジというハサミの刃のような部分があって、
このエッジの角度が正確に出ていること、先端がだれていない(丸くなっていない)
ことがとても重要。


先日、機会があったので専門店に行って、エッジを研ぐ専門の道具一式を
購入してしまった。大枚2枚をはたき、やっと念願のものを手にしたかと
感慨ひとしおだった。エッジを研ぐ前にエッジを研げる状態にする
ボーダーカッタという道具もあるのだが、特にこれが入手できなかった。


いい道具は、とても高価だ。しかし手にしてツラツラ眺めると、
先人たちの苦労の跡と研究の成果が形状や構造に出ていて、
なんともいえない重厚感と安定感がある。おそらく何年も長期にわたって
使用されることを想定して、消耗部分を修正したり交換できたり、
力のかかる部分が狂わないようにできていたりして、その面構えというものが
できてくるのだと思う。


大工道具などでも、ホームセンターで売っている品物と、
プロが使用する道具では、おそらく5倍から10倍は値段が違うのではないだろうか。
安ければいいという気持ちで始めは買うのだが、違いがわかるようになると
次第に高価な本物が欲しくなってくる。
こうして、安物から次第に専門的な道具までが、道具箱に揃ってくる。
道具に最も金を使っている状態になる。しかしこれが本道であると思う。


この連休はチューンナップ用品が、最大限活躍できるように、
スキー板の固定台を自作した。これでベースエッジ研磨でもサイドエッジ研磨でも、
どんな板でもかかって来い、という環境が整った。
(商売でもやるつもりなんだろうかねぇ・・・)