たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

読書法

どうもムダが多いと思う。WEBサイトの向上を目指して、
いったい何冊のHTML解説書やタグリファレンスを買ったことだろう。
いつしか自室の書棚は、同じ系統の本が並べられるようになり、
これじゃまるで本屋の棚がそっくり移動してきたようなものだ。


でも考えてみると、昔からこんな読書法をしてきた気がする。
学生時代、理解を試みていた量子力学の教科書、参考書を
片っ端から買い集め、本棚に並べては、親しい友人と壮観だなぁと、
ため息混じりに眺めていたような気がする。
その友人の部屋にも、ほぼ同様な事態に陥っている書棚があったのだ。
多少、異なる部分があるもののほとんどが共通の書籍が並んでいた。


ランダウ・リフシッツ、ディラック、メシア、ハイトラーの輻射場の量子論
その横には、小出昭一郎先生によるわかりやすい解説書。
そしてこれを読みきったらおれ達はすごいことになるんだ、
みたいなことを、勉強会のたびに語り合っていた。


したがって、ある種の人種はこのような読書の傾向を持つようにも思う。
理解できない部分が出てくると、いろいろと考えをめぐらせるのだが、
どうにもならなくなると他の参考書を探して読んでみる。
それでも釈然としない。そんなプロセスを経て、やがて書店の棚のように
同じ分野の本が並んでいく。そしてそれだけ理解が進んで勉強した気にも
なるのだ。


いまや量子力学の教科書は書棚の隅にほこりをかぶっているが、
一方WEBサイトを構築するための参考書が幅を利かせている。
この読書法の欠点は、金がかかることである。
それと書籍によって途方もなく生活空間を占有されていく。