たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

愚行

どこかしら愚かしいところがある方が人間らくて、魅力があるとはよく言うこと。完全無欠、聖人君子みたいな人じゃ、とっつき悪くて付き合いにくいのは事実。でもこれは自分を除いて人のことを言う場合だけだ。自分自身は、どこまで行っても偏りなく、中道を行って、まず間違いないと内心思っているのが常だ。


自分の愚かさや欠点を人に指摘されて平然としていられるか。それはなかなかできることではない。
それは家内から、「アナタってこういうところがあるわよね・・・」とやんわり言われたとしても、まず感情が動く。それは自己防衛の感情だ。まず、自分は間違っていないという前提を出発点として話を聞く。たとえ自分では「こういういけない点があるなぁ」という自覚があっても、人から言われて、即座にありがとうと感謝できるほど、ボクたちは(ボクは)太っ腹ではない。「なにもわざわざ言うことはないではないか」とか「そんな言い方はないだろう。言い方ってモノがある」とか、どこか自分の反論の余地などを探してしまうものだ。屁理屈でもいいから、反論をしようとするものだ。言われっ放しで、黙って引き下がるなんてことが我慢できるだろうか(まあ自分だけかもしれないけれど・・・)。


自分の行動や考えを、相対化し客観視して見ていられるほどの人物だったら別なのだが。
自分の存在が、自分で思っているほどのものではないという苦い認識があるのなら、別なのだが。
そういう自分を笑うことができるなら別なのだが・・・