たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

アイデアとその周辺

「会社の仕事にまつわることは書かない」というポリシーだが、
宮崎琢磨『技術空洞』を読んでいて、ちょっとばかり思っていることを。
それは職場の中での創造性の発揮についてである。
イデアが出る雰囲気というものがあると思う。
そして職場の人間の中にもアイデアの出る姿勢というものがあると思う。
それを少し整理してみたくなった。

  • イデアは、種子の発芽に似ている。
  • イデアという種子が発芽するには、その条件が必要である。乾いた環境では発芽しない。温度も必要である。
  • イデアが生まれる瞬間は、種子のカラが破れ、ちょうど双葉が出た状態である。
  • 種子の発芽の瞬間では、内部でものすごいパワーが使われる。何ものにも依存せず、自分の中にあるものを爆発的に発露する。
  • 双葉の状態からは、将来の育った姿は見えない。それがどんなものになるのかは、生み出した本人もはっきりとわかっていない。
  • 双葉は弱い。爆発的にパワーを使ってしまい種子はエネルギーの大半を失う。あとは外部の環境を頼りに成長を続ける。水や日光が途切れれば、簡単に枯れてしまう。
  • イデアをつぶすのは実に簡単だ。赤子の手をひねるようなもの。


もしアイデアを創出することで革新的な商品を生み出すことが本質的に重要だ、と認識しているのなら、種子の発芽を妨げたり双葉を枯らすようなマネージメントが、どんな結末をもたらすかは容易に見えてくるはずだ。またアイデアを潰さずに育てていくにはどのようなマネージメントが必要なのか、これはアイデアを出し育てる苦労をした人でないと、なかなか理解できないことも事実。