たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

先日、何気なくある書物をパラパラ読んでいて、不思議な感覚に入っていった。


幸せとか不運だとか、あれこれ思い煩いながら人生を生きているの自分。
そして少しでも幸せと思える方向へ行こうと、不断の努力をしている自分。
いやなものを退けて、心地よい方へ心を向けようとしている自分。


でも、そんなやり繰りの前に、もっと気づくべき大切な大前提があって、
そのことを偉大な宗教者は繰り返し語ったのではないか。
そういう単純なことを伝えようと言葉を重ねてきたのではないか。


イエスは、明日のことは思い煩うな、明日のことは明日にて満てり、と諭す。
白隠は、たとえば水の中にいて、渇を求める愚かさ、と言う。
親鸞は、もうすでにわれわれは救われていると喝破する。
(という表現があったかどうか定かでないが)。


人生は窓みたいなもので、その中から、一切合財が詰め込まれている景色が見えている。
その窓から見える景色をなんとか自分の思い通りにしようとして、
思い通りにならないことを苦にして不幸だと悩んでいる。


あっけないほど単純な図式。
でもその中に本当のことがらが明確に現れている。
実は、思い煩う前に、幸運のまっただ中にいるではないかという変な気分。


うまく表現できないことがらなので、あらためてまとめよう。
こう思いつつ日が経ってしまったのが本当のところだけれど。