たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

学ぶという意味

学ぶということ。
教科書や本に書いてある内容を理解し、
自分のものにすることと考えてきたけれど、
ほんとうは、かなり深いことを言っているんじゃないか、
と思うようになった。


ネットで検索すれば、すぐ本に書いてあるような知識は入手できる。
知識を記憶している状態が学ぶことの目的かというと、
それはちがうと言わざるを得ない。
学ぶことで知識の蓄積が必然的に起きてしまうわけだけれど。


だから学ぶことの中身は、もっと深いものになってきた。
カッコ良く、教科書的にいえば、
これまで人生で犯してきた失敗からエッセンスを抽出し、
それを前進する際に生かしていく、その姿勢のことをいっているように感じる。
ありていにいってしまえば、
「バカから脱却する」こと、
つまり「バカに戻らないこと」に尽きる。
しかしこれが実に難しい。


失敗を繰り返すことは愚かだ。
さらに失敗を繰り返していることさえ気づかないことは、
さらに愚かだ。
しかしたいていの場合、
まちがいを繰り返していることにほとんど気づかない。
失敗したとき、身にしみて何かをさとったというけれど、
ほんとうはちっとも身になんかしみてない。
総括すらできないのだ。


それを邪魔する原因のひとつは感情のヒット(爆発と開放)だ。
感情的になるとき人はそれまでの教訓を忘れる。
考え方が変わる。行動が変わる。
振り返ると、失敗するもともとのきっかけは、
感情のヒットに身をゆだねてしまう瞬間。
つまりは、もとのバカに戻ってしまう・・・
その瞬間に学びを生かすことができたなら、
どれほど変わったことだろう・・・