ルノワール
先週、週刊西洋絵画の巨匠No.3『ルノアール』小学館ウィークリーブック580円を買う。
父親が好きだったのだろうか、子供のころリビングに大きなルノアールの複製画が飾ってあった。当たり前のようにその絵の存在に馴染んでいたため、久しぶりに面会した懐かしさを覚えた。その絵は、『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』という少女の肖像画だ。
不覚にも、女性の肖像画を好んで描いた画家くらいのとらえ方しかしてこなかった。今回パラパラと眺めていて、ほんとうに明るく美しく魅力的な作品群なんだなと気づく。解説に「絵は、楽しく、美しいものでなければならない」という信念を持っていたということが書かれている。これは素直に同感できる。ゴッホのように激情が走るわけでなく、セザンヌのように気難しくもない。やさしく穏やかな幸福な家庭や人物を描く。これが絵画の原点という感じがする。