たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

静物画の制作過程 その2

先日の土曜日の午前中は絵画教室だった。2008年の最終日にもあたり締めの日。だから取り掛かっている静物画もなんとか完成させてしまいたいところ。


黙々と絵の部分をペタペタと塗っていくと、とつぜん絵が完成に近づいていることがあると前回書いたけれど、先週までで、ある程度骨格はできて来たと思う。
「さあて、どうまとめていきましょうかね。」
と先生。
「光を感じて、主題に光を当てましょう。」


ということで、静物たちが集まっているテーブルの中央部に、核をおいてその周りの空間をギュッとまとめる作業を始めた。つまりはテーブルの中央部に光を集め、画面の四隅はトーンを落す。
さらに光がもの達に当たると表面で反射する。その光が眼に入る。だから反射光が眼に飛び込む面は明るい。差し込む光と眼との間で、反射面ができている部分は特に光る。ガラス容器の曲面の一点がそうなる。テーブルだって結局は、ツルツルしていないだけで、この反射の法則は変わらない。そんな調子で、画面全体のあちこちに光を加えた。


仕上がりを見せてきたので、
「そろそろ合格でしょうか・・・」
と訊いてみる。
「キリがないからサインを入れましょうか」と先生。
「じゃ、合格なんですね」
とすかさずもう一度訊いてみる。
「でも80点くらいだよ。いや70点台かな、100点はまだまだ!」
とずけずけ言われてしまう。


でも今回は先生、けっこう満足そうでご機嫌だった。絵を楽しんで描くというきっかけをこの絵でつかみかけていて、この調子でやって欲しいということだった。これまでは絵に苦しみをもらっていたような感じがした、だから絵が固かった。殻を被っていてこじんまりしていた。それを打ち破らなければならないということだ。


確かに、この絵は苦しまずに描いた気がする。そんな感じが見てとれるだろうか。



F10 アクリル 『秋の静物』 完成




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