たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

アメリカの水彩画家

手元にはいつも、アメリカの女流水彩画家のマリリン・シマンドルの著書がある。購入してずいぶん年数がたった。いま手に入るのだろうかとAmazonで検索してみると、中古品がひとつ。なんと価格が19,800だって!買ったときは3,000円だった。
参考までAmazonのサイト(買う必要はありません) → マリリン・シマンドル著『水彩画・光と影のテクニック』グラフィック社 1998年


それはともかく、アメリカの水彩画家の層の厚さは知れば知るほどすごいなと思う。このマリリンだって日本ではほとんど無名だと思う。しかしすばらしい水彩画の世界を持っていて眺めるたび、ため息なんだよね。
この人は絵画の計画を、鉛筆で濃淡つけながら下描きする。そのあと水彩に入るのだけれど、背景の空気に当たる部分を塗っていく。パーマネントローズにウルトラマリンヴルーやマンガニーズブルーを混ぜてにじませて、独特なマリリン色をつくって大胆に。日本で言えば藤色というのかな、この色彩が好きみたいで、かすんだ空気の表現に多用する。


先日本を購入したニタ・エンジェルという女流水彩画家もテクニックがすごい。マスキング技術が卓越していて、絵の具の塗り方も半端じゃない。こんな汚してしまっていいのかと心配するくらいビチャビチャに塗って、傾けて流したりして。でも出来上がった水彩画は緊張感が漲るという感じ。ニタの水彩画を見れるサイトがある。


参考までAmazonのサイト(英文のみ) → How to Make a Watercolor Paint Itself: Experimental Techniques for Achieving Realistic Effects



にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ