たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

小林正観さんの著書

小林正観さんの本は、以前より何となく惹かれていた。書棚を探してみたら3冊も持っていた。しかし読み通したのは今回初めて。『この世の悩みがゼロになる』というそのものズバリのネーミングの本。正直面白かった。やさしい言葉で書かれているけれど分かりやすいかというと、ちょっと手ごわい。


そのちょっと手ごわい言葉のひとつを紹介。

私たちは、縛られているわけではなく、捕らわれているわけでもないのに、実は自分が何かをつかんで放そうとしてしない、それがゆえにまるで捕らわれているように思えるのではないかということです。放しさえすればよいのです。放せば私たちは自由になれる、その執着から放たれることができるのです。
P.73

こんなことをサラッと語るのは、相当だと思う。放すことができた人ならではの言葉だ。放すことができた人は、自分が何をつかんで放さないのかが痛いほど分かった人だ。

執着やこだわり、捕らわれ、そういう呪縛から解き放たれた人を、日本語では「ほとけ」と呼びました。それは「ほどけた」「ほどける」というところから語源が始まっています。
P.73


次の言葉も、心の薬になると思った。面白い。

落ち込んでしまうのは、自分が「たいしたものだ」と思っているのに、さほどの評価を得られなかったからです。逆に有頂天になるのは、自分が「たいしたものだ」と思っているところに「たいしたものだ」「すばらしい」という賞賛を浴びるからです。どちらも同じ心の状態がそういう心の起伏をつくっているということになります。その心の状態とは、「自分がたいしたものである」「ちゃんとしたものである」と思うところから始まっています。
P.163

今日は良いことがあった、あるいは今日はついていなかった、悪いことが続いたと思ったとしても、それを生み出している根っこの部分が同じ。どちらも変わらない。実は良くも悪くも波がやってきているだけ。その波は自分が作り出している。「我」を中心に巡る生活は、それらを繰り返し、また繰り返し、いつまで続けば気が済むのやら・・・ということか。


本当に謙虚になると、落ち込むことも有頂天になることもなくなるような気がします。
P.167

う〜ん、なんとなくとどめを刺されている気がするな。



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