たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

未来はここに?

振り返ると自分の会社員としての暮し方は、技術開発が半分、研究開発が半分の割合で、つまりは今日明日の金を稼ぐというよりも、いつも未来に向けた投資として働いてきた。技術開発は3年くらい先を見て、研究開発になると10年くらいのスパンの未来を見た仕事だ。


こういう仕事柄、会社が発展するか衰退するかはタイムマシンで未来に行かなくとも予測がつく。なぜなら3年あるいは10年先の未来の夢が、地味な形で現在目の前に転がっている。今取り組んでいる困難なテーマが実を結んでいるのがベストな未来の姿だ。むろん上手く行かないことの方が圧倒的に多い。しかし「今取り組んでいない仕事」は確実に「未来には実現していない」。挑戦してナンボの世界だ。


会社の未来の姿を見るには、技術開発の現場を見てくるか、研究開発のテーマを調べればよい。ここでやっていないことは、将来に突如生まれてくることはない。将来は、今この足元に見えているのだ。


自分が50歳を越える頃にうすボンヤリと気づいたのは、こんな会社の予測の話じゃなくて、自分自身の未来だって同じだと言うことだ。正直これには参った。なぜなら今勉強していない事柄は、まちがいなく将来モノにしてマスターしていることはなく、ただ下り坂の人生が見えているだけジャンということ。これはとても嫌なことだ。


習いごとは、一応の一人前のレベルになるまでは5,000時間が必要だと言われる。5年の歳月をかけてひとつの習い事をマスターしようと計画すると、1年で1,000時間勉強をする勘定になる。一日あたりの勉強時間を計算するとなんと1日平均約3時間!週末にまとめて勉強すると考えると21時間の猛勉強だ。10年計画にゆるめたって、1日1.5時間、まとめて週末で10.5時間!


で、自分はやることを限定してそれに集中しようと思った。時間を投入するのは困難を極めるから、せめてあれもこれもといろいろ手を出すのだけは止めようと。これだけは譲らないという特定分野を決めて、お金を惜しまない決心をした。怖いことに未来は今この足元にすでに垣間見えているんだからね。若い頃から分かっていたら、ちったぁマシになったか・・・



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