人生の目的

なかなかすっきりと風邪が抜けない。仕事するにもちょっと辛い感じで早く退けようかと考えているうちに定時になる。年中行事のようにある時期になると風邪で寝込んでしまう人もいるから、自分の場合はまだ軽い方なのだろう。

風邪のひきはじめは、なんだか外から異物がやってくる感じがする。それが進行してくると、異物はますます体内深く入ってくるようで、次第に自分の体が異物と化す。やがて疲労が癒されるように、どこかから体力回復の兆しが見えてくる。体が新しくなるような、異物が後の方に抜けていく感じがする。

先日、詩人で児童文学作家の藤川幸之助さんの著書『やわらかなまっすぐ』という詩文集を手に入れた。散文詩でありながら生きるという一点に絞り込んだような惹きこまれる本である。

その一秒を

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きみは私に「何のために生きているの」と聞いたことがあるけれど、目的を考えることよりも、過ぎ去っていく一秒一秒を大切に生きることが、とても大切なんだ。

p.34

いまここで生きている事実を見つめないで、目的や意味を問いかけてどこへ行こうとするのか、というところ。「逸れてしまった」禅師ならばこんな表現をするだろう。