疲れている
昨日、長野地方のTV局アナウンサーが番組中で、ふと「脳は疲れませんから」と漏らしていたのが気にかかった。そうかもしれない。本当に疲れている部分は別かもしれない。
考えること自体は疲れないが、考えようと意欲し続けるのは難しい。記憶すること自体は疲れないが、記憶しようと意欲し続けるのは難しい。
意欲や自発性というものは失いやすい。年とともになくなっていくのはこの部分。途中で嫌になってしまったり、まあこんなものだとあきらめてしまう。疲れやすくなるのはこのようなところに違いない。
これらを失わないからこそ、努力を続けられる。天才というのも努力し続けられる天才だからという話を聞いたことがある。呆れるほど同じことをやり続ける人間が、やがて高みに到達する気がする。
老化したとはこの意欲や自発性を失ったことと同じなのだろう。何かものごとをすることに疲れてしまった状態だ。老年精神医学の和田秀樹氏によると、これは前頭葉の萎縮と相関があるそうだ。前頭葉の細胞が疲れるというより、それらが消失してしまう。