たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

描きかた

スケッチをしていて、どうも細かいところを描くということができなくなったのか、面度臭くなったのかわからない。でもやはり、何を描くか、何を表現するかで描き方というものは決まってくるのだろう。ある程度、絵の表現の道筋を複数もっていた方がいい。いろいろなものを描く際に、いつも同じ描きかたで臨むのは無理がある。


それにつけても思い出だすのは、もっとも敬愛するスペインの画家リャドだ。ベラスケスの再来と言われ、肖像画家でありながら、風景も花も描く。油彩も水彩も。それらすべて対象により描き方が異なり、肖像画は精密に描くのに対して、花の絵は1mくらいの距離から、筆を振りまわして絵の具を飛び散らす。しかし、そうすることが絵にとっては必然だったのだと納得させる迫力が、そこには感じられる。本当に惜しい人を亡くしたと思う。かつて複製画を見つけて画商にもずいぶん購入を薦められたが、100万前後ではなかなか手が出ない。しかしいつか手にしたいものだ。



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