たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

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先日、描きかけだった奈良井宿の街道のスケッチを完成させた。
家内と散策に出かけたついでにスケッチブックをもって行き、立ちながら街道すじを鉛筆でスケッチした。描いた現場の街道には、人通りが絶え間なく、絵を覗いていく人やら、自分と風景の前にたちはだかって立ち話をしてしまう人やら、とにかくごみごみと賑わっていた。



絵を描いているときは結構いろいろなことを考えている。
絵を再開し始めた頃は、こういう中近景の風景をよく描いたよね、なんて思いながら鉛筆を走らせる。絵には自分の描きやすい距離というものがある。どの程度精密に描くかということと関連する。遠景を描くことが増えたということは、緻密に描くことをしなくなったことを意味している。その代わり、その場に漂う空気というものを描く。空気といっても見えるわけではないので、結局、空気の向こう側の対象を描くわけだが、その場の全体の統一感と色彩が重要なんだ。統一感が出せれば、たぶん遠景の広い景色は成功だ。などと、とりとめなく考えながら鉛筆を滑らせる。



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