たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

絵を成り立たせるもの

バラの花束の絵を描いた。自分のサイトに花のコーナーを設けてアップした。

バラを描くのはこれまで確か2枚目で、これまであまり花を描いた経験がない。その理由を考えてみると、花の美しさを肌で実感したことがなかったことが原因しているのではないかと思う。


絵画は「対象への愛」ともいうべき、美への志向をもたないと、絵に向かう気持ちにならないと感じる。つまり絵を描こうという動機がわかない。そのことがだんだん判るようになってきた。風景画でもこの辺の事情は同じで、なにかインスピレーションや、こちらを誘い込むなにものかを感じないと、絵を描く地点にまで自分を運べない。
それは当たり前のことかもしれない。無感動なのに名所だからとか旧跡だからという理由で、絵画表現に取り組む姿勢をボクは理解できない。義務感を感じながら、いやいや絵を描く理由なんてないはずなんだ。


逆に言えば、現在は花の美しさに気持ちが向いている自分がいるということになる。これは確かな感じ。最近の変化だ。
この絵画は、仕事を終えて帰宅してから部屋の中で、花の写真をモチーフに描きたいように描いた。トライアルなので、おそるおそる小さめに描いた。どんな風になるのか予想つかないから仕方ない。でも描きながら、絵が小さかったなと気づいた。それに自分をもっと大胆に絵にぶつけてもよかったなと思う。サイズの小ささも関係しているようにも思う。サイズをもう少し大きく堂々と描くべきだったという反省の中にいる。


そんな思いもあり、いまF6くらいの大きい花の絵を描きはじめた。