たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

高島野十郎の肖像

先日来、高島野十郎の画集がないものだろうかと探したところ、古書店に一冊あるらしいことがわかった。1988年に目黒区美術館で開催された『高島野十郎展』の図録である。


中央線沿線の常田書店という古書店らしいので会社帰りに立ち寄ってみた。しかし店主が外出中との貼り紙がしてあり、その日は書店に入れずじまい。後日電話をしてみると、その図録は昨年売却してしまったとのこと。店の前で夜1時間半も店主の帰りを待った自分は、なんだったんだろうと思った。


ずいぶんお店の前で待ったんですよと告げると、店主はこちらの言い方に恐縮されたのかどうか、自分用に購入した別の図録があるけどこれでいいかという。昨年2006年三鷹市美術館で開催された展示会の図録ということだ。もう手に入らない図録だろうから何でもいいです、売ってくださいということで、貴重な画集が手に入った。店主の方のご好意に感謝するばかりである。


三鷹市美術館の図録に関しては、ひょっとしたら美術館に売れ残りの在庫があるかもと期待して、以前美術館の事務室に実際出かけて聞いてみたのだ。すると3回刷って3回ともすぐ売り切れてしまい、もう手に入らないという。しつこい自分は、三鷹上々堂に出かけて聞いてみた。しかし昨年一冊あったけど、売れたとのことだった。


絵画については改めて記したいと思うけれど、印象深いのは野十郎の写真だった。自画像から想像していたのとはぜんぜん違うじゃないか。こんなダンディなサマになる男性だったのかという驚き。下の写真は、写真家の片山摂三さん撮影になる博多個展開催時のスナップのようで、図録より転載させていただく。このとき野十郎67歳。どんな男だったのだろう。興味が湧く。