たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

勉強法の本

書店でぶらぶらしていて、目立つ本の題名だなと思った。1日30分の自己投資をしなさい!と語りかける。直球勝負という感じ。近ごろビジネス書の類はあまり読まないのだが、手にとってすぐ購入。

古市幸雄著「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55 
マガジンハウス


プロローグで、きわめて素直に「あなた」に問いかけている。

あなたの会社内で、使えない上司っていませんか。
朝、定時に出社して、ほとんど生産的なことをせず、会社に1円の利益をもたらすどころか、逆にマイナス4万円くらいの損失を出している、会社のお荷物になっているおじさん連中のことです。失礼な言い方かもしれませんが、彼らには使えないという言葉がピッタリです。
あなたも彼らのようになりたいですか?

うーん、ここまで言われるとねぇ・・・
自分のことはさておき(そうしないと話が進まないから)、回りを見回すと、生産的な付加価値を生み出している人たちや、将来に向けて前向きなことがらに取り組んでいる人々ってホント少ないねぇ。日々惰性で過ごす人々、権威を行使することで自己の存在価値を誇示する人々なんかは、ゴロゴロといるのだが。

彼らがそのようにビジネスで使えない人間になった理由は明らかです。退社後は同僚と居酒屋、電車ではスポーツ新聞、帰宅すると缶ビールとプロ野球・・・・・・。ビジネス書を読むこともなく、セミナーに通うこともなく、向上心はほぼゼロ。会社に入ってから20年、30年が経ち、時代が変わり、ビジネスパーソンに求められるスキルが大きく変わっているのに、ほとんど何も新しいスキルを習得してこなかったからです。
つまり、今まで自分自身にほとんど何の投資もしてこなかったのです。


続いて、たった1日30分の勉強の重要性が説かれる。この短い時間の自己投資でどれだけ、人生時間において勉強の時間が捻出、蓄積されるものかを、いろいろな角度から検証している。「負け犬にならない勉強法」という情報をネットで販売していたものがベストセラーとなり、このたび書籍にしたという経緯らしい。したがって著者の編み出した勉強法が紹介されていて示唆に富む。価値ある一冊と思った。


いちばん心に響いたのは、次の部分だ。

それは、私たちは数年前の過去の蓄積で、現在の収入を得ているということです。


こんなまともで、耳に痛くて、本当のことがらがあろうかと思った。ここに何の不思議もない人生の事実がある。良い種を蒔けば、やがて良い実りが得られるが、放逸に過ごせば畑には何も実らない。