たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

気になる言葉

なにか気がかりな言葉なのだけれども、まだ考えのまとまりを見せないような言葉ってある。出会ったときには覚えているが、すぐ雑事にかまけて忘れてしまうような言葉。


先日(といっても2週間ほど前に)雑誌で出会った。

会長は「囲碁1級の人が10人集まろうと、初段1人に勝てない」という信念のもと、常に勝つために、ビル・ゲーツ(のような革新的な人材)を育てることを目標として、10年後に備えたグローバル人材経営を目指している


   服部毅 Semiconductor International 日本版 2007・5 p.58

会長とは、韓国サムソントップの李健熙会長のこと。『2015年のサムソン』という韓国ジャーナリストが書きベストセラーとなった書籍には、10年後はサムソンはソニーを飲み込むであろうと予測されているそうだ。

なおこうした人材の強さ、そのための系統的で徹底した社員教育というものは、本来、日本の製造業が得意とし競争力の源泉としてきたものである。しかし、今日の日本企業は、形骸化した成果主義の導入の結果、短期的業績を達成するため、人材の育成など地道な作業がおろそかにされているというのが実情であろう。

   
   服部毅 同


囲碁の初段の人は、1級の人が束になっても思いもつかない方法やビジョンを描いて戦っているという指摘があらためて新鮮。ランクというか格というか、そういう厳然たる力量の差があることを思い起こさねばならない。